HealthtechDB定例マンスリーレビューを開催、2022年7月のヘルステック領域のニュースの振り返りを実施
2022年7月のヘルステック領域のニュースを題材としたマンスリーレビューを8月4日に開催しました。本稿では今回のレビューで取り扱ったニュースとトークで出た注目ポイント・関連テーマを抜粋してイベントの様子をお届けします。
次回9/1(木)開催予定のマンスリーウェビナーの申し込みは、こちらのリンクからどうぞ!
2022年7月の国内のヘルスケア業界の出来事のまとめ
なかでも、8月4日のマンスリーウェビナーでは太字の項目に関して取り扱っています。
- 7.12 JMDCがリアルワールドデータ社を買収
- 7.21 Buzzreachが総額約6.6億円のシリーズA調達を発表
- 7.22 AmazonがOne medicalを約5300億円で買収
- 7.26 メドイメインがPSPと資本業務提携
- 7.27 Ubieが35億円のシリーズC調達を発表。製薬向け事業をより強化へ。
7/12 JMDCがリアルワールドデータ社を買収
リアルワールドデータ社は圧倒的な人的リソースが強みであると考えている
IRには、投資家向けに市場規模などの買収のメリットが書かれてあるが、ヘルスケア業界から見ると、リアルワールドデータの強みはBS上には現れない人的リソースであると考えている。リアルワールドデータ社のHPを見るとわかるが、元世界医師会長の横倉氏をはじめレジェンドが最高顧問に、そして次世代のレジェンドが顧問に就任しており、ここがリアルワールドデータのインパクトになっていると考えている。
医療ビジネスとして制度から作っていくには、人的リソースが大切であるという一つのモデル事例と考えられ、アプローチとして参考になるだろう。
7/21 Buzzreachが総額約6.6億円のシリーズA調達を発表
治験領域で新規参入するならM&Aを出口戦略として見越すべきではないか
治験領域はどんどんプレーヤーが限られていってるイメージがある。
本領域で新規参入するなら出口戦略としてM&Aを考えるのが良いと考える。大手というよりは、ベンチャー企業として特定地域や特定領域に絞って被験者募集からはじめ、患者リクルーティングを強くし、場合によってはクロスセルでマネタイズするのが良いのか。
新規参入にあたり”患者会とのつながり"がキーワードになる可能性がある
特定疾患を扱う場合、新規参入にあたり”患者会とのつながり"がキーワードになるのかもしれない。
てんかん領域を扱うノックオンザドアも当初てんかんの患者会と一緒にサービス向上に努めたとのことだ。例えば緑内障の患者会のように、患者会の数だけ新規参入の可能性はあり、まだ取り組まれていない領域は多いのではないか。
7/22 AmazonがOne medicalを約5300億円で買収
Amazonで医療アクセスがもっと日常になるのではないか
Amazonの整備されたインフラの中にヘルスケア領域が追加されることで、これまであった医療へのアクセスの障壁が取り払われ、より日常に近づくのではないかと考えられる。更なる健康寿命の延伸への可能性を感じられる買収だった。
Amazon careが日本に来るのは2030年ごろになると考えられる
Amazon careが日本に来るとしてもすぐにはならないだろう。
まず、日本のオンライン診療の基盤を利用した上での導入になると考えられるが、日本ではまだまだオンライン診療が普及しておらず、特に地域でほとんど見られない。オンライン診療の売り上げが5~6割くらいになるくらいのクリニックの基盤が求められると考えていて、2030年前後が現実的かと考えられる。逆に、Amazon pharmacyのサービスは意外と早く実装されるのではないか。
7/27 Ubieが35億円のシリーズC調達を発表。製薬向け事業をより強化へ。
今回の資金調達額である35億円の割り当てが気になった
今回の資金調達額の多さに驚愕した。資金調達の35億円の額の大きさから、巷ではその金額が一人歩きしているが、実際にどこがどれほど出資したのか邪推すると面白い。リスト掲載の順番など考慮すると、今回もスズケンが15~20億円くらい出資しているのではないかと考えられた。今後の上場へ向けた流れが気になるところである。
次回のマンスリーウェビナーは9/1(木)正午からです!
こちらのURLからお申し込みください!HDBチーム一同、お待ちしてます!!