本記事は、10月28日に開催しました直近1ヶ月のヘルステック領域のニュースを題材としたマンスリーレビューウェビナーをもとに作成しております。取り扱ったニュースとトークで出た注目ポイント・関連テーマを抜粋してお届けします。
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2022年10月の国内のヘルスケア業界の出来事のまとめ
なかでも、マンスリーレビューウェビナーでは太字の項目に関して取り扱っています。
- 10/3 PharmaX リモート薬剤師に関するレポート
- 10/4 日本調剤 オンライン薬局NiCOMSのコンセプト動画公開
- 10/5 帝人が3Sunnyを100%子会社化
- 10/6 Ubie シリーズC総額で62.6億円の資金調達を完了
- 10/6 Buzzreach x MICINが協業でDCTを実施
- 10/11 シミックがノックオンザドアを子会社化
- 10/17 健康経営クラウドサービス「Dr.CHECK」を展開するリバランスが資金調達
- 10/24 バックテック シリーズBラウンドの1stクローズで4億円の資金調達を実施
- 10/26 メタバースでメンタルを整えるFlintがプレシードで7200万円を調達
10/3 帝人が3Sunnyを100%子会社化
デジタルヘルス業界は事業化が進む
現在、デジタルヘルスの波は第3フェーズ目に入ったと考えられる。
2011年から2014年の第1期は旧民主党から自民党政権に変わって健康医療戦略室ができ、NTTデータがPHRをつくるなど、デジタルヘルスの黎明期であった。
そこから2019年初頭にかけての第2期はデジタルヘルスの姿が具体的になった。2018年12月には日本で初めてAI医療機器のEndoBRAINが承認され、さらには薬機法への改定やオンライン診療の解禁など、テクノロジーを活用してデジタルヘルスの実現が現実的になったフェーズである。
今に続いている第3期は社会実装の段階で、第2期に設立されたベンチャー企業が実際に製品を販売できるところまできている。経済産業省は医療ベンチャーを支援するHealthcare Innovation Hub(InnoHub)を設置。事業を展開していく際の資金調達、大企業との連携をサポートする姿勢だ。
2030年頃までデジタルヘルス関連の連携、買収は続く
この買収で3Sunnyは帝人の経営資源を最大限活用することにより事業の幅を広げられる。
帝人側としても、中期経営計画に沿った将来の収益源育成のためのヘルスケア事業増強に向けたものと解釈できる。
デジタルヘルスは2030年頃を目処に発展が続くと考えられているが、そこに向けて大企業のベンチャーの連携や買収が活発になっていくのではないか。
10/6 Ubie シリーズC総額で62.6億円の資金調達を完了
62.6億円もの資金の用途が気になるところ
Ubieは7月にも35億円の資金調達を行っており、それに続く発表で驚いた。今回は製薬企業向け事業の人員増強に充てるとの発表だったが、どれだけの人員を採用するにしても62.6億円は多すぎる点に引っかかる。その他の調達資金の使い道としては買収が考えられるが、そうすると上場時期が遅れるため疑問が残る。
また60億円の資金調達ができるので、corporate valueとして300億円程度はあると考えられるが、さらに資金が増えた分の利益を伸ばす必要がある。今後どの分野に投資していくのか、上場のタイミングとともに注目したい。
10/11 シミックがノックオンザドアを子会社化
KNOCK ON THE DOORのExitは想定よりも早い印象
KNOCK ON THE DOORの林社長は元々エムティーアイでの経歴を持ち、てんかん患者会と医師からの意見を取り入れることでユーザー視点のプロダクトを作り上げた。結果として、患者向けにも病院向けにも高いシェアを誇り、多くのノウハウが蓄積されている。そんなKNOCK ON THE DOORがこのタイミングでM&Aを発表したのは驚きだった。
シミックとの連携により大きく成長できることが期待される
ベンチャーのExit戦略の視点から見るとKNOCK ON THE DOORの起業からファイナンス、M&Aまでの流れはとても理想的に感じる。今後単なるグループ会社ではなく、次の大きな事業につなげることができれば、CRO業界のビジネスモデルにもなるだろう。
10/24 バックテック シリーズBラウンドの1stクローズで4億円の資金調達を実施
バックテックは既存の企業向けヘルスケアサービスと差別化できているのが強み
バックテックは腰痛という症状を通じて従業員のメンタルヘルスの問題を解決するという点で珍しいサービスだ。
今回、1stクローズで4億円を調達したということは、シリーズBラウンド全体で2倍以上(8〜10億円規模)の資金調達を考えている可能性が高い。また、JAFCOが参画していることから、将来的に上場を目指しているのではないかと予想できる。
企業向けヘルスケアも次のフェーズがきている
従業員の健康は売上に直結する以上、企業でのヘルスケアサービスはこれからも成長が続くだろう。
そのなかでも第1期のメンタルヘルスは市場として成熟してきた段階で、次は女性の健康問題や睡眠が新たなトレンドとして注目されている。さらに相談→オンライン診療→対面診療と必要性に応じて柔軟に対応できるなど、ヘルスケアサービス自体にも改善の余地はありそうだ。
次回のマンスリーウェビナーは11/25(金)正午からです!
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