2022年11月の国内注目ヘルスケアニュースをおさらいしよう!

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2022年11月の国内注目ヘルスケアニュースをおさらいしよう!

本記事は、11月25日に開催しました直近1ヶ月のヘルステック領域のニュースを題材としたマンスリーレビューウェビナーをもとに作成しております。取り扱ったニュースとトークで出た注目ポイント・関連テーマを抜粋してお届けします。
次回12/23(金)開催予定のマンスリーウェビナーの申し込みは、こちらからどうぞ!

2022年11月の国内のヘルスケア業界の出来事のまとめ

なかでも、マンスリーレビューウェビナーでは太字の項目に関して取り扱っています。

  • 11/8 静岡の医療機関がサイバー攻撃により電子カルテの一部が利用不可に
  • 11/11 バックテック 池田泉州キャピタルよりシリーズBラウンド2ndクローズ完了
  • 11/11 おいしい健康とスズケンが資本業務提携へ
  • 11/15 Amazon Clinicを通じて32州の患者にバーチャル医療を提供へ
  • 11/16 不妊治療専門クリニック「torch clinic」のARCHがシードラウンドで2.3億円調達
  • 11/17 アルムと帝人がRFIDを用いた次世代医療サプライチェーンの実証実験開始
  • 11/21 メドレーが東京証券取引所プライム市場への上場市場区分変更へ
  • 11/22 名古屋大学がPREVENTとの共同研究結果を発表。うつ病の高リスク群を同定
  • 11/22 Ubie 石川県小松市と地域医療のデジタル活用支援に関する連携協定を締結
  • 11/22 清水寺とharmoによる電子お薬手帳一体型の御守りが誕生
  • 11/24 アルム スマートフォン一体型無散瞳眼底カメラ「Eyer」が薬事認証を取得
  • 11/24 ファストドクター x Hakali「Awarefy」がメンタルヘルス治療で事業提携

11/8 医療機関でのサイバーセキュリティ事案が頻発

病院へのサイバー攻撃に対して政府も支援を表明

ランサムウェアは身代金要求型のコンピューターウイルスであり、今回は一部の電子カルテが使えなくなってしまった。
医療機関へのサイバー攻撃が続くことを受けて、政府も対策に乗り出すと見られる。ただし病院側はサイバー対策についてあまり見識がなく、業者に任せっきりになっているのが実情だ。

病院のセキュリティへの取り組みを見直すことが望ましい

徳島県の事例に関してはすでに詳しいレポートが公表されている。それによると院内VPNと外部をつなぐシステムに脆弱性があり、そこを突く形でサイバー攻撃がなされた。
問題は、その脆弱性が既知のものであり、きちんと対応していれば防げたはずということである。また大規模病院では複数のシステムや業者が入り交じるので、システム管理が複雑になりやすい。

セキュリティ対策は決して安くはない。病院がしっかりコストをかけ、個人情報を守るという意識が必要ではないだろうか。

11/11 バックテック 池田泉州キャピタルよりシリーズBラウンド2ndクローズ完了

1st、2ndクローズと分けた理由を推測すると面白い

前回のマンスリーウェビナーで取り上げた4億円の資金調達からわずか1ヶ月で発表があったのは驚きだった。2ndクローズでは具体的な金額は記載されなかったが、1ヶ月という短いスパンで発表を分けたことが気にかかる。
単純に資金調達は注目を集めやすいため、認知度を挙げる目的で2回に分割したのか、それとも1ヶ月の間に企業valuationが変化したためなのだろうか。
また、ヘルスケア領域への投資をあまりしていない池田泉州キャピタルが、バックテックをなぜ投資先として選んだのかにも注目した。今後、新たな連携についてリリースされる可能性が考えられる。

11/16 不妊治療専門クリニック「torch clinic」のARCHがシードラウンドで2.3億円調達

MS法人のExit戦略の方向性を探る

クリニック運営は、ヘルスケアビジネスの中でも比較的現実的で、採算も取れやすい。しかし一方で、少数の事業に限られやすいことから、上場するMS法人はあまりなかった。
MS法人モデルが上場を目指すためには、複数の医療法人でクリニックをプロデュースすることや、D2Cなどの他事業も展開することで、収益源を分散する必要があると思われる。
上場企業の中では、グローム・ホールディングスが不動産と医療コンサルティングの2本柱で収益を挙げており、経営の多角化が必須だろう。

11/22 Ubie社 石川県小松市と地域医療のデジタル活用支援に関する連携協定を締結

今後、行政向けビジネスも拡大していくか

小松市はヘルスケアDX化を特に進めている自治体であり、非常に親和性が高い。このような自治体向け事業はマネタイズのためなのか、それとも事業拡大の足がかりなのかというのは注目すべきポイントである。
話題となったNoteの事例もあるように、スタートアップの評価額は実際と乖離している可能性がある。そのなかでUbieはどこに収益源を見出し、企業価値を上げられるのかに注目したい。

11/22 シミック社 清水寺とharmoによるPHRの新たな活用方法を提案ー日本初 電子お薬手帳一体型の御守が誕生ー

ユーザーに合わせたお薬手帳のあり方かもしれない

お寺とタッグを組むのは珍しいが、カード利用の多い高齢者に合わせた形として有効なソリューションである。今後ターゲットとなるユーザーに合わせたものとして参考になりそうだ。
その他にもキャラクターとコラボする事例などもあり、ユーザーフレンドリーなインターフェイスは今後増えていくだろう。

11/24 スマートフォン一体型無散瞳眼底カメラ「Eyer」が薬事認証を取得

販売価格が気になるところ

本来、眼底検査は散瞳のために点眼後20分程度待つ必要がある。このカメラはそうした手間を省き、ポータブルで眼底撮影ができるのが特徴だ。
類似デバイスとして「VersaCam™」が発売されているが、こちらは眼科以外でも内科・小児科・皮膚科・耳鼻咽喉科で使用可能である。販売数を上げるためには価格や利便性など、どこかで差別化していく必要があるだろう。病院の収益に見合った価格で販売されるのか、来月の続報を待ちたい。

次回のマンスリーウェビナーは12/23(金)正午からです!

こちらのURLからお申し込みください!HDBチーム一同、お待ちしてます!!

https://healthtech-db-news-vol12.peatix.com

京都府立医科大学6年生。公衆衛生に興味があり、社会の健康問題を解決できるようなキャリアを目指す。趣味は旅行とF1観戦で、ソニーのミラーレスを愛用中。