デジタルバイオマーカーは普及するか?国内における具体的な取り組み事例

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デジタルバイオマーカーは普及するか?国内における具体的な取り組み事例

前回の記事では、デジタルバイオマーカーとは一体何か?その定義や市場規模などをまとめていった。今回の記事では、デジタルバイオマーカーの国内での活用実績は増えていくのかどうか?をより詳細に検討していくために必要な、具体的なデジタルバイオマーカーの活用方法や、臨床試験で採用する際に検討することになる、データの妥当性や信頼性の担保をどのように行うのか?国内での具体的な取り組み事例は存在するのか?など、より踏み込んだデジタルバイオマーカーの現状をご紹介します。

dBM生成の流れ

センシング方法・利用されるデータの種類

デジタルバイオマーカーの元となる生体データの収集方法は多様だ。ここでは侵襲性が小さい順に、環境設置型・ポータブル型・アプリ型・ウェアラブル型・AR/VR型・インプラント型・体内摂取型に分類し、測定されるデータの種類と活用例を紹介する[2]。

環境設置型

  • 電化製品型:電化製品の使用頻度を測定、高齢者の見守りに活用
  • 住居設置型:壁・ベッド・トイレなどに設置したセンサーで活動量・バイタル・排泄状態などを測定、高齢者施設における業務負担軽減・疾患早期発見などに活用
  • ポータブル型:レーザーによる血糖値測定、検知器による呼気アルコール検知など

アプリ型

  • スマホアプリ型:スマホカメラで高齢者の歩行などを撮影、運動機能などを評価
  • PCアプリ型:PCカメラで顔画像を撮影、心理状態などを評価

ウェアラブル型

  • リストバンド型:スマートウォッチで心拍・運動状態・VO2maxなどを測定、臨床研究・臨床試験などに活用
  • 指輪型:スマートリングで運動状態・心拍・SpO2などを測定、睡眠の状態を分析
  • 眼鏡型:スマートグラスで没入度・安定度・バイタリティの指標として姿勢や眼球の動きを測定、心身のセルフケアを支援
  • 胸章型:名札型センサーで身体動作を測定、幸福度を評価
  • 衣服型:スマートパジャマで体動・心拍・呼吸・温度などを測定、睡眠の状態を分析
  • AR/VR型:仮想空間上に視覚情報を提示した上で脳機能・視力の評価指標として脳波・行動を測定、疾患早期発見に活用
  • インプラント型:コンタクトレンズ型・皮膚埋め込み型のセンサーで血糖値を測定、治療に活用
  • 体内摂取型:小さなセンサーを経口摂取し深部体温や服薬状況を測定、体調管理・治療・疾患早期発見に活用
  • インプラント型・体内摂取型以外であれば侵襲性がなくユーザーへの負荷が小さいため、ここに書いていないものも含め幅広い用途で使用可能である。

デジタルデバイスからデータを取得しdBMが生成されるまでの流れ

デジタルデバイスで収集されたデータは、そのままで活用される場合もあるが、何らかのプロセスを受けることで初めて有用なデジタルバイオマーカーとなる場合もある。ここでは、取得後のデータからどのようにdBMが生成されるのかを、ウェアラブルデバイスを用いて自律神経の活動を評価する取り組みを例に説明する。

データは段階ごとに Raw data, Processed data, Outcome の3つに大別される[1][10]。

Raw data

  • 生データ。デジタルデバイスに内蔵されたセンサーが自動的に取得したデータ、あるいはそれを直接出力したデータのことを指す。
  • 例:電位(単位:mV)。デバイスで直接測定できるのは身体表面の電位である。

Processed data

  • Raw data をモバイル端末(スマートフォンなど)などに転送し、処理を行ったデータのことを指す。
  • 例:心拍数(単位:bpm)。電位を連続的に記録しスマートフォンに転送することで、心拍数をカウント、出力することができる。

Outcome

  • 臨床アウトカム。Processed data を分析機器やサーバー等に転送し、解析アルゴリズムでさらに処理した結果出力されるデータ。
  • 例:自律神経のバランスの一指標と言われている、心拍の細まかな変動を表すデータ。pNN50(RR間隔が50ms以上の心拍回数)など。

これらが全て別個のデータであるとは限らず、Raw data が Outcome の役割を果たす(= dBM となる)場合もある。例えば、心拍数をApple Watch上で計測し、これをスマートフォンに転送し臨床アウトカムとして使用した場合は、Raw data が dBM にあたる。

*CTTI:Clinical Trials Trandformation Initiative。2007年にデューク大学とFDAにより設立された団体で、”To develop and drive adoption of practices that will increase the quality and efficiency of clinical trials”(臨床試験の質と効率を高めるための手法を開発し、その採用を促進すること)をミッションに掲げている。

臨床試験での活用は進むか?

様々な疾患に適用可能であり、急速な市場拡大が見込まれているデジタルバイオマーカー。その活用の場として近年注目を集めているのが臨床試験である。

デジタルデバイスで収集されたデータからどのようにdBMが生成され、その信頼性がどのように保証されるのかについては説明済みであるが、バーチャル臨床試験・DCTの概念、dBMの臨床試験での活用事例、法規制・関連団体のガイダンスで定められた要件、治験オペレーション上の注意点などを解説する。

dBMの普及のきっかけとなるか?バーチャル臨床試験・DCTとは

臨床試験における課題として、患者の拘束時間および通院の負担がある。近年ではインターネット・IoTの発展により、デジタルデバイスを活用することでこの課題を解決する動きが見られ始めている。これにより実現しつつある臨床試験を、医療機関中心であった従来の臨床試験と比べる形で「医療機関への来院に依存しない臨床試験」「患者中心の臨床試験」と呼ぶことができる。

実際、海外では、オンライン診療・デジタルデバイス・訪問看護・訪問診療などの活用による業務分散化で「医療機関への来院に依存しない臨床試験」を実現した事例がいくつか報告されている。海外ではこのような臨床試験の総称が複数存在し、日本でも広まりつつあるDCT(分散化臨床試験:Decentralized Clinical Trial)バーチャル臨床試験(Virtual Clinical Trial)という言葉もその中に含まれるものである[13]。

 DCTにはいくつかの形があるが、中でも有力なのはデジタルバイオマーカーを臨床アウトカムに設定するモデルである。通院の負担を軽減できるような臨床試験をデザインするにあたって、家にいる治験対象者からウェアラブルデバイスなどでデータを収集することができれば、大きなメリットとなることは間違いない。

dBMの妥当性・信頼性の担保をどのように評価するか?

臨床試験においてデジタルバイオマーカーをOutcomeとして採用する場合、その妥当性・信頼性が担保されなければならない。そのために必要な過程として、 Verification, Analytical validation, Clinical validation の3段階があるとされている[1][11]。

Verification(検証)

  • 目的:デバイスによるデータ取得技術の、適切性・信頼性の確認
  • 主体:デジタルデバイスの製造業者
  • 内容:以下の内容を評価する
    • 機器やプログラムが正常に動作するか
    • センサーの Accuracy(正確性), Precision(精度), Uniformity(均一性)が継続的に一定の基準を保持できているか

Analytical validation(分析妥当性確認)

  • 目的:dBMへのデータ変換・推定・評価のプロセスの、適切性の確認
  • 主体:デジタルデバイスの製造業者、エンジニア、臨床専門家
  • 内容:解析アルゴリズムにより推定された Outcome を適切な基準で評価する

Clinical validation(臨床妥当性確認)

  • 目的:dBMを対象患者層に適用することの、科学的・臨床的妥当性の確認
  • 主体:臨床試験のスポンサー
  • 内容:測定・予測された身体状態・臨床症状・経過が妥当かどうかを評価する

dBMを臨床的アウトカムとして用いるための要件

特にdBMのclinical validationにおいて解決すべき課題は使用条件・目的に応じて多岐にわたるため、画一的な要件を設けることは難しい。しかし、臨床アウトカム評価(COA:Clinical Outcome Assessments)の一つであるという原点に立ち返れば、その中でも最も汎用されている患者報告アウトカム(PRO:Patient Reported Outcome)を開発する際に確認が必要とされる内容をdBMにも敷衍することで、以下のような要件が考えられる[1][12]。

使用条件や目的
意図する使用条件・目的が事前に明確に定義されていること。

内容的妥当性
身体機能・臨床状態などを適切に測定した、有意義な指標になっていること。

信頼性
測定の再現性、目的に応じた診断能・予後予測能・症状検出の感度・特異度が確保されていること。

変化を検出できるか
重要な変化を継続的に精度良くモニタリングできること。

ニーズ
技術的に測定可能であるという理由だけではなく、従来の臨床評価指標で満たせなかったニーズに応えるという目的のために開発されること。

dBMを臨床試験で活用する際のオペレーション上の注意点

これらの要件を満たすdBMが準備されてもなお、臨床試験を行う上で注意すべきことは残っている。いくつかの例を挙げておく[1]。

  • デジタルデバイスの操作などが患者に与える負担についても考慮する。
  • デジタルデバイスのバッテリーやソフトウェアアップデートが収集データに影響を与えないよう注意する。
  • デジタルデバイスの不具合を想定し、モニタリング・対応の明確化などを行う。
  • 使用者の本人確認方法を必要な認証レベルに合わせてデザインする。
  • 欠測など、臨床試験手順で防げる可能性のある事象については事前に対策し、データの品質管理を徹底する。
  • デジタルデバイスが治験使用機器相当に該当するかを検討し、必要に応じて治験届に記載する。

デジタルバイオマーカーを活用した臨床試験の事例

国内外の臨床試験でdBMが活用されている事例はいくつも存在する。

製薬協が行った調査によれば、2005年から2021年の間に登録されたデジタルデバイスおよび生物学的製剤を含む薬剤を用いた第Ⅰ~Ⅳ相の介入試験は(デバイス不明例、重複例を除外して)63件であったという[1]。

 使用されたデバイスの種類の中では活動計・活動量計が大半を占め、活動量・睡眠状態の評価に用いられていた。続いたのはCGM(持続的血糖モニター)および胸部装着型センサーで、それぞれ血糖値と咳の評価に用いられていた。臨床試験における評価項目の位置付けとしては、第Ⅱ相・第Ⅳ相において副次評価項目として使われるケースが多かった。

下記の通りdBMの利点が発揮されていた例も多く、今後もさらなる活用拡大が見込まれる。

アトピー性皮膚炎患者を対象とした第Ⅱ相試験[14]

  • 方法:睡眠時に掻いた回数を記録する
  • 解決課題:睡眠時の動作の測定は困難であった

けいれん患者を対象とした第Ⅱ相試験[15]

  • 方法:瞬きの回数を記録する
  • 解決課題:今までの疾患評価は日常生活における障害の程度に関する主観的なものしかなかった

国内デジタルバイオマーカーの取り組みを行っている企業

中外製薬

 中外製薬株式会社は1925年創業の大手医薬品メーカー。

 近年はデジタル技術を活用し個別化医療の進展を目指しており、2020年には「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を策定。①デジタル基盤の強化、②すべてのバリューチェーンの効率化、③デジタルを活用した革新的な新薬創出 の3つの基本戦略を掲げている。同社はこのうち③の具体案として、AIを活用した新薬創出、デジタルバイオマーカーへの取り組み、リアルワールドデータの利活用を挙げている。

 デジタルバイオマーカーへの取り組みについて概説する。中外製薬では複数の臨床開発プロジェクトにおいてウェアラブルデバイスを活用。客観的かつ継続的な生理学的データを収集・解析することで、アウトカムの可視化、疾患の理解向上などを目指している

中外製薬株式会社によるデジタルバイオマーカーへの取り組み
(https://www.chugai-pharm.co.jp/profile/digital/digital_biomarkers.html)

 2020年7月には、ボストンに拠点を置くDTx企業・Biofourmisと共同で、子宮内膜症に伴う痛みの客観的評価・疾患理解向上を目指すことを発表した。BiofourmisのBiovitalsプラットフォームは、複数のデジタルバイオマーカーを記録するウェアラブルなバイオセンサー、症状のモニタリング、生理学的バイオマーカーによる継続的な痛みの定量化、モチベーション向上のためのゲーミフィケーションエンジンの機能を備えた患者向けアプリなどを含んでおり、ウェブ上のダッシュボードを介した臨床医の確認・介入も可能なサービスだ。中外製薬・Biofourmisは、このサービスによる痛みの客観的かつ持続的な評価方法の新規開発を目標としている。技術検証のために120名以上の患者を対象とした治療介入を伴わないグローバル多施設共同観察試験も行われた。

 血友病についても、患者報告に基づく運動の実施状況と出血の関連性、およびウェアラブルデバイスによる運動時身体活動データの評価を行っている。デバイスはActiGraph社のInsightwatchを採用、Welby社の専用アプリケーション「ePRO」を用いて前向き客観研究・TSUBASA試験を開始した。

テックドクター

 株式会社テックドクターは2019年に慶應義塾大学医学部の研究チームから創業に至ったスタートアップ企業。「データで “調子” をよくする時代へ」をモットーに、テクノロジーで医療業界とヘルスケア産業をサポートすることを目指している。

 同社の展開する「SelfDoc.」はまさにデジタルバイオマーカーによって成り立っているサービスだ。気持ち・心拍・睡眠・運動などのデータを独自技術で解析・共有、週単位・月単位で可視化することで、ユーザー自身が心の健康状態を把握できる環境を提供する。解析には、毎日の簡単な質問への回答の他に、Fitbit, Apple Watch, GARMINといったウェアラブルデバイスから取得できる生体データが使われている。

株式会社テックドクターが展開するサービス「SelfDoc.」のイメージ図
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000071267.html)

テックドクターはこの他にも「SelfBase」というサービスを展開している。研究機関・製薬企業・保険会社などをターゲットとした、デジタルバイオマーカーの解析基盤である。近年、ウェアラブルデバイスなどのセンシングデバイスの急速な浸透により様々な研究が可能となっている一方で、データ量が急激に増え収集・蓄積・解析の手間が研究計画段階から膨大な時間を要することに着目。同社が研究者の代わりに大量のデータ収集を一元管理し、リアルタイムでデータを管理し、解析レポートを制作するという役割を果たすことで、解析工数・コストの70%削減に成功している。もちろん前述のSelfDoc.で集められたデータの解析にも利用されている。

これらの事業を展開するテックドクターは、まさにdBMの活用によって成り立っている企業と言えるだろう。

まとめ

本記事では、デジタルバイオマーカーについて、国内での取り組み事例、及び臨床試験への応用可能性などを解説した。急速に利用が伸びると見込まれていることもあり、今後も新しい活用方法が次々と展開されていくと考えられる。その一方で、新たな問題点・課題が明らかになっていくことも確実だ。急速な変化が待ち受けている領域だけに、継続的にdBMの動向を注視していきたい。

参考文献

  1. 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会「医薬品開発におけるデジタルバイオマーカー(dBM)の利活用と要件」https://www.jpma.or.jp/information/evaluation/results/allotment/rfcmr0000000216e-att/digital_biomarker_202204.pdf
  2. 日立製作所「日立評論:デジタルバイオマーカー活用を通じたQoL向上と高齢者向け予防支援」https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2020s/2022/02/02a05/index.html?WT.mc_id=ksearch
  3. Clin Pharmacol Ther. 2001;69:89-95
  4. https://www.pmda.go.jp/files/000155707.pdf
  5. FDA-NIH Biomarker Working Group, ‘BEST (Biomarkers, EndpointS, and other Tools) Resource’, 2021 Jan 25, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/n/biomarkers/pdf/
  6. TechDoctor Inc.「デジタルバイオマーカーとは」https://note.com/techdoctor/n/n467e76483f59
  7. Emergen Research, ‘Digital Biomarkers Market By System Component, By Therapeutic Area, By End-Users, Forecasts to 2027’, 2020 Nov,  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000096.000082259.html
  8. Report Ocean, ‘Global Digital Biomarkers Market 2020-2030 by System Component, Therapeutic Area, Application, Development Status, End User, and Region: Trend Forecast and Growth Opportunity’, 2021 Apr 23,  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001927.000067400.html
  9. BIS Research Inc., ‘Global Digital Biomarkers Market - A Global and Regional Analysis: Focus on System Component, Type, Application, End User, Regional and Country-Wise Analysis - Analysis and Forecast, 2022-2028’, 2022 Apr 27, https://www.gii.co.jp/report/rn1023506-global-digital-biomarker-market-outlook.html
  10. Clinical Trials Trandformation Initiative, ‘CTTI Considerations for Advancing the Use of Digital Technologies for Data Capture & Improved Clinical Trials’, https://ctti-clinicaltrials.org/wp-content/uploads/2021/06/CTTI_Digital_Health_Technologies_Recs.pdf
  11. Goldsack JC, Coravos A, Bakker JP, Bent B, Dowling AV, Fitzer-Attas C, et al. Verification, analytical validation, and clinical validation (V3): the foundation of determining fit-for-purpose for Biometric Monitoring Technologies (BioMeTs). NPJ Digit Med. 2020 Apr 14;3:55.
  12. 日本製薬工業協会 データサイエンス部会「治験におけるPatient Reported Outcomes 〜臨床開発担当者のためのPRO利用の手引き〜」 https://www.jpma.or.jp/information/evaluation/results/allotment/lofurc0000007zgn-att/pro.pdf
  13. 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会「医療機関への来院に依存しない臨床試験手法の導入及び活用に向けた検討」https://www.jpma.or.jp/information/evaluation/results/allotment/lofurc0000005jr6-att/tf3-cdt_00.pdf
  14. ClinicalTrials.gov., ‘Efficacy of Fluocinonide Cream 0.1% (Vanos(R)) in Reducing Itch in Subjects With Atopic Dermatitis’, https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01469767 
  15. ClinicalTrials.gov., ‘Exploratory Study of Dipraglurant (ADX48621) for the Treatment of Patients With Blepharospasm’, https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05027997] 

京都大学医学部6回生。医療情報のあり方に興味があり、初期研修後の進路では社会医学・行政・企業勤務・起業なども視野に入れる。現在はインターンでヘルステック領域を学びつつ、G検定・応用情報技術者試験合格など情報分野でも修行中。趣味は競技かるた、身近な人を手伝うツール開発、ブログ執筆。