ヘルスケアテクノロジーズ株式会社の「HELPO(へルポ)」に関する取り組み
ヘルスケアテクノロジーズ株式会社は、ソフトバンク株式会社がDX領域でヘルスケア分野のさまざまな社会課題の解決を推進するため、2018年10月に設立した会社である。同社は、人々の健康増進や医療資源の最適化、国民皆保険の維持への貢献を目的としたサービス提供を行っている。
同社が、2020年7月から提供を開始した「HELPO」は、病気の予防や未病改善、健康増進に役立つ機能をワンストップで提供するヘルスケアサービスである。サービス開始時には、「オンライン健康医療相談」「病院検索」「ヘルスモール」の3つの機能を付帯しており、先行して法人や自治体を対象に提供することによって従業員や職員の福利厚生および地域住民の健康の推進を図ってきた。
同社は続けて、SB新型コロナウイルス検査センター株式会社との連携のもと、2020年12月から自治体向けに唾液PCR検査業務の支援を開始し、2021年2月には個人向け唾液PCR検査サービス「HELPO PCR検査パッケージ」の提供を開始した。唾液PCR検査において「HELPO」を活用することで、検査の予約から結果の確認などを簡単に把握できるような仕組みを組み上げている。
ヘルスケアテクノロジーズ株式会社の今期業績は大幅伸び
3月28日に発表された第3期決算公告によると、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社の今期の売上は61.9億円、純利益は20億円にのぼり、大幅に成長していることが伺える。
資金調達日 | 会計方式 | 決算方法 | 売上 | 営業利益 | 経営利益 | 利益余剰金 | 当期純利益 |
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2021-12-31 | 日本基準 | 単独 | 6,198.181 | 2,176.202 | 2,174.93 | 11.442 | 2,003.325 |
2020-12-31 | 日本基準 | 単独 | 66.267 | -1,235.192 | -1,243.195 | -1,991.882 | -1,245.749 |
2019-12-31 | 日本基準 | 単独 | - | -723.382 | -744.587 | -746.132 | -746.132 |
業績に貢献するPCR事業とその自治体関連の取り組み
今期の業績成長の理由としては、新型コロナウイルス感染症流行の影響で需要が高まる唾液PCR検査分野での取り組みが挙げられる。
特に、下記にまとめるように、2020年12月から行っている自治体向けの唾液PCR検査業務支援においては、これまでに数多くの自治体との提携・受託等の実績がある。
自治体 | 内容 | 日時 |
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静岡県藤枝市 | 「HELPO」の実証実験 | 2020年10月〜 |
福岡県福岡市 | 「新型コロナウイルス感染症に係るスクリーニング検査等業務」を受託 | 2021年2月〜3月末 |
熊本県熊本市 | 「新型コロナウイルス感染症に係る 高齢者施設等従事者への緊急PCR検査業務」を受託 | 2021年2月〜3月末 |
福岡県久留米市 | 「新型コロナウイルス感染症に係る 高齢者・保育施設等従事者のPCR検査業務」を受託 | 2021年1月〜3月末 |
京都府 | 「高齢者施設等職員に対する新型コロナウイルス感染症PCR検査の実施業務」を受託 | 2021年4月末〜6月末 |
群馬県 | 「飲食店従業員に係る新型コロナウイルス感染症PCR検査および感染地域モニタリング調査」を受託 | 2021年6月〜7月中旬 |
福岡県八女市 | 「新型コロナウイルス感染症のスクリーニングによるPCR検査事業」を受託 | 2021年7月1日〜12月25日 |
滋賀県 | 「まん延防止等重点措置区域における高齢者施設等への重点的検査業務」を受託 | 2021年8月〜9月 |
三重県 | 「障害福祉施設を対象とした新型コロナウイルス感染症にかかる社会的検査業務」を受託 | 2021年9月1日〜11月30日 |
複数 | 成人式を開催する自治体にPCR検査を特別価格で提供 | 2021年11月〜2022年3月 |
福島県いわき市 | ヘルスケアアプリ「HELPO」納入 | 2021年12月1日 |
長崎県長崎市、壱岐市、対馬市 | 新型コロナウイルスのPCR検査等無料検査所を開設 | 2022年1月4日 |
兵庫県 | 「高齢者施設及び障害者支援施設等の従業者等へのPCR検査業務」を受託 | 2022年2月10日〜3月31日 |
ヘルスケアテクノロジーズの今後の取り組み
今後ヘルスケアテクノロジーズは、「HELPO」の機能を段階的に拡充するとともに、法人や自治体に加えて健康保険組合など各種団体への提供も行い、利用者の拡大を目指すとしている。さらに、グループ親会社であるソフトバンクは、自社の法人営業基盤を活用して「HELPO」の販売展開を行うほか、自社の物流ネットワークを活用して、「ヘルスモール」の商品をよりスピーディーに届けられるようサービスの向上を目指すとしており、今後のヘルスケア領域での取り組みに注目が高まる。