メドレー社の事業ポートフォリオ一覧~高成長を支える人材PFと医療PF~

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メドレー社の事業ポートフォリオ一覧~高成長を支える人材PFと医療PF~

メドレーの事業構想

株式会社メドレーは、「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに掲げ、テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて「納得できる医療」の実現を目指す会社である。事業は大きく(1)人材プラットフォーム事業(2)医療プラットフォーム事業に大別される。

  1. 人材プラットフォーム事業
    医療ヘルスケア領域における人材の不足や地域偏在という課題を解決することを目指し、「ジョブメドレー」、「メディパスアカデミー介護」を展開している
  2. 医療プラットフォーム事業医療機関の業務効率の改善や患者の医療アクセスの向上を目的として「CLINICS」、「Pharms」、「MEDLEY」、「Dentis」、「MALL」を展開している。

なお上記に加え、同社は中長期的な成長を見据えた新規事業開発を行っており、新規開発サービスとして「介護のほんね」などが展開されている。

2022年12月期 第1四半期決算説明資料より P8

メドレー社は毎年高成長率を維持しているが、その中でも創業期より成長を牽引してきているのは、人材PF事業である。全体売上のおよそ70%ほどを占めている。また、その次に成長を牽引しているのが医療PF事業であり、こちらもコロナ禍での市場の動きも追い風となり、二桁成長を続けている。

メドレーの事業一覧

株式会社メドレーは下記のような事業構造を有し、以下のサービスを提供している。

1. 人材プラットフォーム事業

サービス名

サービス詳細

ターゲット

開始時期

ジョブメドレー

成果報酬型人材採用システム。オンライン上で完結する採用支援サービスであり、ダイレクトリクルーティング機能、低単価な成功報酬、医師・看護師・薬剤師以外の人材をも対象とするプラットフォームを提供している。

医療ヘルスケア領域事業所

2009~

メディパスアカデミー介護

オンライン研修システム。オンライン上で完結する採用支援サービスであり、ダイレクトリクルーティング機能、低単価な成功報酬、医師・看護師・薬剤師以外の人材をも対象とするプラットフォームを提供している。

医療ヘルスケア領域事業所

2017〜

2. 医療プラットフォーム事業

2022年12月期 第1四半期決算説明資料より P41

サービス名

サービス詳細

ターゲット

開始時期

CLINICS

クラウド診療支援システム。CLINICSオンライン診療と連携し、診療データの患者への共有や問診のカルテ表示に加え、患者への通院サポートや診療待ち時間短縮による診療業務効率化も提供する。

求人事業所

2016-

Pharms

かかりつけ薬局支援システム。調剤薬局における業務の効率化、「かかりつけ薬局」への転換支援を目的とし、オンライン服薬指導、処方箋ネット受付、キャッシュレス決済などの機能を提供するシステム。

調剤薬局

2020/9-

MEDLEY

医療情報提供サービス。病気、医薬品、医療機関の情報の掲載
症状候補の組み合わせから「疾患チェッカー」機能を提供。

患者・患者家族

2015-

Dentis

クラウド歯科業務支援システム。患者エンゲージメントを促進すべく、電子カルテ等の基幹システムに加えてかかりつけ支援機能までトータルで提供。

歯科

2022-

MALL

病院向け電子カルテ。オンライン診療システムとの連携、医療・介護・在宅連携を促進する「MINET」との提携を進めることで、病院向け電子カルテの普及に加え、医療介護連携の強化を目指す。

中小病院

2021-

経営支援サービス

経営・運営支援、診療支援、医療事務支援、営業支援サービスを提供。要介護高齢者を対象にあん摩マッサージ師による医療保険適用の施術を展開。

高齢者施設への歯科・医科訪問診療を行う医療機関

2021-

3. その他新規事業

サービス名

サービス詳細

ターゲット

開始時期

介護のほんね

介護施設情報掲載サービス。介護施設情報、入居可否問い合わせ機能を持つ。特徴として医療機関を退院した患者が入居する際に最重視することの多い各種疾患を持った患者の医療ケア受け入れ体制についての情報を掲載。

介護施設への入居検討者・入居検討者家族

2020-

メドレーの今後の事業展開

2022年12月期 第1四半期決算説明資料より P44

メドレーの有価証券報告書によると、2021年度の業績は売上高10,863,568千円と前会計年度よりも59%増加している。上記の事業の中でも特にこの売上高に貢献するのは(1)人材プラットフォーム事業である。「ジョブメドレー」では、COVID-19ワクチンの接種による入職時期のずれなどの新型コロナウイルスによる影響が見られたものの、サービスサイトの機能改善により利便性の向上がみられ、顧客事業所数が253,000件(前連結会計年度末比17.4%増)、求人掲載数が252,000件(前連結会計年度末比17.5%増)と拡大を続けている。結果として当セグメントによる売上高は7,878,737千円(前年同期比39.4%)と、会社の売上高の半分以上を占めている。

メドレーでは、これまでも中長期的な事業成長を見据えた投資を行って事業を伸ばしてきており、2021年度では医療プラットフォームの調剤薬局向けシステム事業などへの積極投資を行った。また、M&Aによる事業展開を見ると、2021年10月にはNTTドコモとのJVとしてミナカラ社と、2021年1月には中小病院向け電子カルテのセールス・マーケティングを強化するとともに既存資産を活かして地域医療連携及び医療法人向けグループ経営システムMINETを開発すべくパシフィックメディカル社とのM&Aを実施してきた。上記のM&Aなどによっては、顧客事業所数の拡大、ARPUの拡大、患者ユーザーの拡大を通じ、2024年度に黒字化を見込む「CLINICS」を含む病院・医科診療所向け医療プラットフォーム事業における今後の売上高拡大につながると考えられる。

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