メンタルヘルスケアサービス「mentally」がサービス終了

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メンタルヘルスケアサービス「mentally」がサービス終了

メンタルヘルスケアサービス「mentally」がサービス終了

9月30日(金)を持ってメンタルヘルスケアサービス「mentally」のサービスを提供を終了した。サービスを終了した具体的な背景は非公開であるが、ホームページでは「お客様にご満足いただけるサービスの提供が難しくなってしまったため」と記載されている。本稿では、株式会社Mentallyのこれまでの取り組みについて整理する。

Mentallyが取り組む事業は?

株式会社Mentallyは2021年10月11日に設立し、代表は西村創一朗である。これまで人々の健康状態をサポートする2つの事業に取り組んできた。

1.メンタルヘルスケアアプリ「mentally」

2022年9月30日を持ってサービスが終了した。メンタルヘルスに不安を抱える人が、誰でも経験者(公認メンター)にオンライン上で相談し、ピアサポートを受けることができるWebアプリである。自分の悩みを公認メンター全員に向けて相談し、複数のメンターがその悩みに回答する形式である。また似たような境遇にいる人々はその投稿に対して「わかる」ボタンを押すことで共感することができる。

また有料オプションとして1対1でリアルタイムで個別相談することができる。初回利用は15分で500円で、通常利用は30分で1980円で利用できた。

2.メンタルヘルス・ウェルビーイングの様々な記事が読めるWebメディア「mentally」

2022年10月現在もサービスは継続中である。Webメディア「mentally」は、「つらいが、わかる。つらいが、かわる。」をコンセプトに掲げ、メンタルヘルス・ウェルビーイングにまつわる、さまざまな情報を発信している。

mentallyアプリの開始から終了までの経緯

以下が「mentally」のアプリ開始から終了までの主な経緯である。

・2022年4月末: アプリのβ版のリリース開始
・2022年7月5日: アプリ正式リリースローンチ
・2022年9月1日: 個別相談の電話形式での利用が可能に
・2022年9月23日: アプリ終了の発表

サービスの正式なローンチから3ヶ月足らずで終了しており、特に新機能を追加したにもかかわらず、1ヶ月未満でサービスが終了したことがわかる。mentallyの創設から終了に至るまでの詳細について過去のインタビュー記事をもとに見ていく。

自身のメンタルダウンの経験からmentallyを創設

インタビュー記事によると、創業者の西村創一朗氏はこれまでに幾度もメンタルダウンを克服してきた。その時に助けとなったのは同じ境遇を体験したことがある先輩の存在であった。この経験から運と縁に依存することなく、自分と同じような境遇・病気で苦しんでいた過去や、バックグラウンドの似ている人に出会い、相談することを可能とするサービスを提供したいという背景から創設するに至った。

ピアカウンセリングで相談しやすい場を提供

インタビュー記事によると、西村氏は精神分野において以下の2つの課題があると述べている。

1.日本では精神医療のサービスギャップが生じている
需要はあるものの、精神科が利用されていない。背景として相談がしにくく、一人で抱え込んでしまう人が多い。

2.過去の経験をひた隠しにする文化がある
精神疾患を患った経験や現状の苦しみをひた隠しにすべきというような暗黙の了解がある。

これらの課題を解決するために、相談のハードルを下げ、また過去の苦しい経験をオープンに打ち明けることができるピアカウンセリングアプリをローンチするに至った。

資金調達が行き詰まったことによりサービスが終了

代表者のツイートより、今回の早期でのサービス終了の原因について「資金調達が上手くいかず、資金が枯渇してしまい、サービスの継続に必要なメンバーの雇用・業務委託契約を維持することが困難になってしまったためです。」と述べている

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