【医薬治験完了前に承認】政府が創設を目指す「緊急承認制度」の全容が判明

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【医薬治験完了前に承認】政府が創設を目指す「緊急承認制度」の全容が判明

2021年12月27日の厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会にて、「緊急時の薬事承認の在り方等に関するとりまとめ」に関する議論が行われ、緊急時に医薬品を迅速に承認するため、政府が創設を目指す「緊急承認制度」の全容が判明した。

臨床試験の最終結果が判明する前でも有効性が推定できれば承認を可能とするというものだ。新型コロナウイルス感染症のワクチンの実用化が遅れたことへの反省を踏まえ、今後の感染拡大時に加え原子力事故や放射能汚染、バイオテロなどの緊急時での発動を想定している。

現行制度では、海外医薬品などの国内導入手続きに時間がかかり過ぎる

現行の薬事承認制度は平時を前提にしており、治験を実施し、有効性と安全性を確認する作業を行うため、承認までに一定の期間が必要となる。海外の薬事当局が認めた医薬品などについては、審査を簡略化し早期に承認する「特例承認制度」があるが、日本人への有効性や安全性を確認するため、国内で治験を行わなければならないという課題があった。

このため、米ファイザーや米モデルナ、英アストラゼネカの新型コロナワクチンはいずれも特例承認だが、欧米と比較して実用化までに2〜5カ月遅れる結果となった。

新しい緊急承認制度化では、有効性の確認のハードルを下げて対応

新たに導入する緊急承認制度は、医薬品などを承認する場合に確認する安全性と有効性のうち、安全性については従来の薬事承認と同じ水準での「確認」を必要としながらも、有効性に関しては「確認」ではなく「推定」の段階で承認を可能とする方針だ。

同制度の対象は、幅広い状況に対応できるようにするため、ワクチンや治療薬にとどまらず、医療薬全般、医療機器、再生医療製品などを含める。

特例承認制度は「海外向け」という制度の性格から、国内企業が世界に先駆けて開発しても適用されることはなかった。塩野義製薬など日本の製薬会社もワクチンや治療薬の開発を進めているが、欧米に後れを取る一因ともなっている。緊急承認制度が導入されれば、国内産が欧米並みに迅速に承認されることが予想される。

(参考:厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会

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