中部電力とカラダノートが資本業務提携契約を締結(プレスリリース)
中部電力株式会社と株式会社カラダノートは2月4日、子育て世代を支援するサービス開発やヘルスケア分野での協業に向けた資本業務提携契約を締結した。中部電力は今後6か月以内を目処に、カラダノートの普通株式を300,000株(発行済株式総数の4.76%)を上限に市場から取得する予定。
2021年12月より、両社は未就学児から高校生までを主な対象とした中部電力の学校連絡網サービス「きずなネット」アプリならびにカラダノートの妊娠出産・育児関連/血圧・服薬管理アプリ等の顧客向けに、ライフイベントに応じた共同キャンペーンの実施やマーケティングの実証を行っていた。(プレスリリース)今後、きずなネットに加え、中部電力の遠隔診療をはじめとするヘルスケア分野などのサービスとも連携を拡大することで、妊娠期から高校生までの継続的な子育て支援を実現する予定。将来的には子育ての視点から少子高齢化社会における地域の社会課題を解決する「新しいコミュニティの形」の提供を目指す。
中部電力はなぜヘルスケア企業と提携するのか?(参考資料)
電力自由化を受け、中部での電力供給のシェアが85%となり、15%下落した。これを受け提供サービスを生活全般に広げることで顧客の囲い込みを狙い、三菱商事とともに2021年4月に「中部電力ミライズコネクト」を設立した。同社の資本金は12億5000万円、中部電力ミライズ(中部電力傘下の電力小売会社)が51%、三菱商事が49%出資している。
電力自由化以降、単に料金の安さを理由に契約先のエネルギー事業者を切り替える動きは鈍化の傾向が見られる。こうした中で、電力各社は提供サービスを増やすことで顧客の囲い込みを図ろうとしていると思われる。とりわけ、ヘルスケアと電力は相性が良い掛け合わせの1つだろう。特にPHRや在宅患者の見守りについては、消費電力や湿度、気温などの電力会社が集められるデータを有効活用できる。
実際、中部電力は電力使用料などのデータや、IoTデバイスを使用した在宅でセンシングデータを取得した遠隔診療の取り組みなどを進めており(参考資料)、カラダノートに数多くのデータを提供できると思われる。電力会社とヘルスケア企業の提携の例としては、他にユビーと関西電力の提携が挙げられる。
三菱商事はオランダの電力会社エネコの共同買収などから中部電力との関係が深かった。また、三菱商事にとってはエネルギーの川下にあたる一般家庭と接点を持てる利点もある。
カラダノートについて
「家族の健康を支え 笑顔をふやす」というビジョンの実現と少子高齢化に伴った社会課題を解消すべく、家族サポート事業、DBマーケティング事業、DX推進事業を運営している。特に、家族サポート事業の1つである「ママびより」ではママが知りたい情報を「食事」「お金」「行事、イベント」など細分化し網羅している。また、DBマーケティング事業では、住み替えを検討するユーザーと住宅会社のマッチなど、保有する80万世帯以上のデータを通じて、ユーザーの最適なタイミングで効果的なサービスのアプローチを行っている。
2020年9月23日に東京証券取引所マザーズ市場への新規上場が承認され、10月27日に上場した。