2021年12月29日 海外ヘルスケア市場注目ニュース: Oracle社のCerner社買収を発表など

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2021年12月29日 海外ヘルスケア市場注目ニュース: Oracle社のCerner社買収を発表など

Oracle社のCerner社買収の影響(出典

先週の海外ヘルスケア市場注目ニュースの一つとして、Oracle社によるCerner社の買収への動きを取り上げた。その買収がOracle社のこれまでの最高額となる283億ドルで正式にまとまった。今回はOracle社にとってのCerner社買収の影響についての記事である。

Oracle社はEHR業務の効率化を目指し、医師の業務負担改善に貢献する

Oracle社の今回の買収の1番の目的は、電子カルテに費やす時間の短縮とされており、医師の負担を軽減することにある。
Acceleration Economyのシニア・アナリストであるJohn Foley氏によると、今回の買収の影響の中でも1番効果的であると考えられるのは、AppleのSiriやAmazonのAlexaのような、EHR用のデジタル音声アシスタントを使うことであると述べている。
また、Oracleのクラウド技術とCernerのEHRを組み合わせることで、最新のデータ管理、自動化、人工知能、機械学習が約束され、これらはすべて提供者の負担軽減に役立つ。

  • EHRとは
    Electronic Health Recordの略語で、直接的には「電子健康記録」「生涯医療記録」と訳されるが、意味合いとしては、個人の医療・健康等に係る様々な情報を蓄積し、参照・活用・共有等を行う仕組み(「医療情報連携基盤」や「健康情報活用基盤」等)を指す。

敗血症のリスクがある患者を特定するためのデジタルアラートシステムは、死亡や入院期間の延長のリスクを減らす(出典

敗血症のデジタル警告システムを使用したImperial College LondonのCéire Costelloe教授が行った研究のニュースである。
敗血症は発見が困難なことが多く、それに伴う多くの死亡は早期治療で予防できるため、研究すべき重要な疾患である。
Imperial College Healthcare NHS Trust (ICHT) の病院で使用されている敗血症のアラートシステムは、体温の変化や心拍数の増加など、患者のさまざまな感染反応を監視し、患者が敗血症反応の可能性を示すレベルを示している場合には医療従事者に警告を発して、さらなる調査を可能にするものである。

アラートシステムの導入により転機改善と関連することが結論づけられた

以下、Céire Costelloe教授談。
「敗血症のデジタルアラートを導入することで、患者さんの死亡リスクが24%低下することが明らかになった。また、アラート実施後に7日以上の入院期間が延長されるリスクも低く、これは約4%の減少となった。アラートシステムを使用した場合、その症状に対して適時に抗生物質治療を受ける患者が増加したこともデータから示された。全体として、ICHTにおける敗血症警報システムの導入は、患者の転帰の改善と関連しているという結論に達した。」

敗血症について
敗血症は,「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義される。感染症に伴う生体反応が生体内で調節不能な状態となった病態であり,生命を脅かす臓器障害を引き起こす。(日本版敗血症診療ガイドライン 2020

FDAがファイザーとメルクのCOVID-19錠剤を認可(出典

米国で初めて認可が下りたCOVID-19の新規錠剤薬に関するニュースである。
米食品医薬品局(FDA)は22日、米製薬大手ファイザー社が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「パクスロビド」の緊急使用を許可(EUA)し、23日にメルク社が開発した新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」も同様に緊急使用の許可を発表した。

パスクロビドは感染予防目的や重症患者への治療目的では使われない

「パクスロビド」の対象は、体重が少なくとも88ポンド(約40kg)である12歳以上と、入院や死亡を含む重度のCOVID-19への進行のリスクが高い子供または大人である。処方箋でのみ入手可能で、COVID-19の診断後できるだけ早く、症状が現れてから5日以内に投与を開始する必要があるとされる。
本剤はCOVID-19の予防や重症または重篤なCOVID-19により既に入院を必要とする人の治療には承認されておらず、予防注射やブースター投与が推奨されている方へのワクチン接種の代用品ではないことに留意が必要である。

モルヌピラビルも同様に感染判明後すぐ服用されるべきである

「モルヌピラビル」の対象は、重症化のリスクが高い18歳以上の人で、感染が確認されてからすぐに処方を受け5日以内に投与を開始すべきだとされる。妊娠中には使用しないよう勧告されている。

パクスロビドについて
パクスロビドは、ファイザー社が開発した抗ウイルス剤で、経口活性のある3C様プロテアーゼ阻害剤として作用する。酵素の触媒システイン残基に直接結合する共有結合型の阻害剤である。

モルヌピラビルについて
モルヌピラビルは、抗インフルエンザ薬として開発された経口活性がある実験的な抗ウイルス薬である。合成ヌクレオシド誘導体N4-ヒドロキシシチジンのプロドラッグであり、ウイルスのRNA複製時に複製障害を生じさせることで抗ウイルス作用を発揮する。

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