EUでの認知症治療薬アデュカヌマブの販売承認が見送りに
https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202198.html
バイオジェン・インクとエーザイ株式会社が欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)にアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度ADとして知られる早期段階のADの治療薬候補であるアデュカヌマブの販売承認申請(MAA)を実施したが、承認見送りとなった。バイオジェンは、今回のCHMPによる見解に対して再審議の請求を行う予定。
この認知症薬は米国では2021年6月に条件付きで承認されているため、同薬の評価が米欧で分かれることになる。また、日本においては2020年12月にバイオジェンが承認申請をしており、今月22日に厚生労働省が承認の可否を審議する予定で、欧州の審議結果が可否の審議に影響する可能性がある。
中外製薬コロナの飲み薬開発断念
COVID-19に対する新規治療薬候補であるRNAポリメラーゼ阻害剤AT-527について日本での開発を終了。
AT-527は米バイオ企業アテア・ファーマシューティカルズが、中外製薬を傘下に置くスイス製薬大手のロシュと連携して臨床試験を実施していたが、アテアは十分な有効性が確かめられなかったと発表した。これを受けて、ロシュはアテアとの連携を解消すると公表した。中外製薬は対応を検討し、日本での開発終了を決めた。
オミクロン株によって新型コロナウィルスの感染拡大に対する懸念が高まる中で、重症化リスクを低くする飲み薬の開発動向は注目されている。厚労省は、中外製薬に対して4億5800万円の補助を決めていたが、申請断念によって一部返金が求められている。
<参考:新型コロナ飲み薬開発状況(出典)>