2022年6月21日、入院案内を自動化する「ポケさぽ」が、パースジャパンが提供する病室のテレビ・冷蔵庫・Wifiの申し込みをクラウド上で行う「PERS Pay」とのサービス連携を発表した。
パースジャパンが提供する「PERS Pay」とOPERe(オペリ)が提供する「ポケさぽ」が連携することによって、入院患者がLINE公式アカウントを通じて、入院に関する事前説明やリマインド通知と共に、病室のテレビ・冷蔵庫・Wi-Fiの利用申し込みも併せて行うことができるようになる。
サービス連携の背景とデジタル化が進む入院体験
入院時にテレビや冷蔵庫を利用する際に「テレビカードを現金で゙゙゙゙購入し、カードを差し込んで利用する」という従来の体験を経験をしたことがある方は、入院経験がある方であればほぼ全員経験したことがあるのではないだろうか。
こうした体験は徐々に時代遅れのものとなり、現在であれば事前にWeb上で申し込みをして使えるようにする、もしくはキャッシュレス決済で利用できるようになるというのは、誰もが想像する入院体験のデジタル化である。
そこで、パースジャパンは「PERS Pay」というサービスを開始し、テレビ・冷蔵庫・Wi-Fi等の利用申込みをク ラウド上で行うことで入院前の患者がスマートフォンで申し込みを行う事を可能とした。さらにはクレジットカードまたはコンビニ後払いで支払えるようにしたことで、入院患者は便利になり、病院でもこれまであった患者からのテレビカード利用の手間を無くした。
また、 入院案内を半自動化する「ポケさぽ」と、「PERS Pay」がサービス連携することにより、病院職員の業務負荷を増大させることなく、入院患者は動画やチャットを通じて「PERS Pay」についての仕組みや申し込み方法を理解し、自身のスマートフォンから入院時のテレビ・冷蔵庫・Wi-Fi等の利用を入院前 に申し込めるようになった。
「ポケさぽ」は医療従事者の入院案内業務を削減
「ポケさぽ」は、株式会社OPERe(オペリ)が提供する入院案内を自動化し、病院職員の業務負荷を軽減するためのサービスである。
医療機関では入院患者を受け入れる際に、事前の入院説明や持ち物の案内、入院前の体調確認、入院時の施設案内・治療説明など様々な業務をこなすことになる。特に医療従事者のタスクシフティングや働き方改革の重要性が高まっている中で、病院看護師の業務負荷が大きくなる大きな要因の1つとなっている。
「ポケさぽ」では、こうした入院案内をLINE公式アカウントを活用したチャットやコンテンツでの案内、自動での患者さんへの入院時の注意事項に関するリマインドなどを行うことで、入院案内時間の軽減に成功している。
ポケさぽは病院職員の入院案内に関する業務負荷を軽減する(OPERe社HPより)
病院のデジタル化・DX推進によって患者体験はどのように変わっていくのか?
医療機関のデジタル化は他業界と比較するとかなり遅れている側面があり、その影響は患者体験まで影響を与えている側面はある。例えば、日本の医療は提供品質は高いものの、患者満足度が低い状況にあるというのは、よく知られた日本の医療課題の1つである。
患者体験をデジタル化によってより利便性の高いものに変えていくことによって、医療そのものの患者満足度を変えていけるポテンシャルは十分にある。
また、病院業務をデジタル化・DX推進していくことによって職員の業務負荷を下げることは、医療従事者のタスクシフティングや職場満足度に寄与する可能性もあり、目立つ話題ではないがこうした1つ1つのデジタル化の話は見逃せない医療現場の変化である。今後もHealthtech DBではこうした医療現場のデジタル化による変化に注目していく予定だ。