デジタルバイオマーカーの国内での活用実績は増えていくのかどうか？をより詳細に検討していくために必要な、具体的なデジタルバイオマーカーの活用方法や、臨床試験で採用する際に検討することになる、データの妥当性や信頼性の担保をどのように行うのか？国内での具体的な取り組み事例は存在するのか？など、より踏み込んだデジタルバイオマーカーの現状をご紹介します。

デジタルバイオマーカーは普及するか？国内における具体的な取り組み事例

<h2>海外の片頭痛デジタルソリューションと日本の動向</h2><p>海外では片頭痛へのデジタルソリューションが進んでおり、市場も拡大傾向にある。本項では、海外の片頭痛に対するデジタルソリューションの事例を見つつ、日本の片頭痛対策の最近の動向についても取り扱う。</p><h3>片頭痛の国内推定患者数は840万人</h3><p>片頭痛とは、こめかみから目にかけて、片側を中心に、時には両側や後頭部までも脈打つように起こる頭痛のことで、前兆のあるものと無いものに分類される。<br>片頭痛の症状のトリガーは、疲労・精神的ストレス・睡眠不足などであると知られている。</p><h3>患者は女性に多い一方で、適切な治療を行えている患者は少ない</h3><p><a href="https://zutsu-online.jp/headache/about.shtml">日本</a>全体での有病率は8.4%で、特に女性は12.9%と約10人に１人が悩まされており、特に20-40代の女性に多いとされている。(*1)</p><p>また、有病率における男女差も大きく、<strong style="font-weight:bold">女性は男性の約4倍も片頭痛患者が多い</strong>とされている。(有病率8.4%の内訳のうち、全女性における12.9%が片頭痛患者だったのに対して、男性における有病率は3.6%だった。(*1))</p><p>片頭痛を抱えている方のうち、74.2%が片頭痛によって日常生活に大きな支障がある一方で、適切に治療に進めている患者割合は低い。<strong style="font-weight:bold">自分自身が片頭痛患者であると自覚しているのは全体のうち11.6%にすぎず</strong>、また頭痛の治療のために市販薬を用いているのは56.9%のみである。(*1)</p><p>*1 Sakai F, Igarashi H. Cephalalgia 1997;17:15-22</p><h3>片頭痛治療における課題は、患者さんの適切な治療への案内と治療選択肢の確保</h3><p>上記を踏まえて片頭痛における疾患課題は、① 患者さんに頭痛症状の原因が片頭痛であることと気付いて受診してもらうこと、② 患者さんに適切な薬を処方できるようにすること、③ 片頭痛治療を継続して行ってもらうこと の3点にあると考えられる。</p><p>これまで片頭痛治療薬は、通常の頭痛治療に利用される薬と片頭痛用のトリプタン系製剤が利用されてきましたが、うまく利用されていないのが現状だった。2020年・2021年に立て続けにイーライリリー・アムジェン・大塚製薬より新しいタイプの片頭痛治療薬・予防薬がそれぞれ販売され始めたが、まだまだ普及には時間がかかる見込みだ。</p><p>(片頭痛発作を予防する治療薬として、2021年4月に日本イーライリリー・第一三共が「<a href="https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202104/20210426_J.pdf">エムガルティ</a>」を販売開始し、8月にはアムジェンが「<a href="https://www.amgen.co.jp/media/news-releases/20210812">アイモビーグ</a>」を、大塚製薬が「<a href="https://www.otsuka.co.jp/company/newsreleases/2021/20210830_1.html">アジョビ</a>」を販売開始した。)</p><h2>海外の片頭痛ソリューションの事例5選</h2><p><a href="https://www.reportlinker.com/p06083633/Digital-Migraine-Treatment-Devices-Market-Research-Report-by-Product-Type-by-Application-by-Region-Global-Forecast-to-Cumulative-Impact-of-COVID-19.html">360iResearch</a>によると、デジタル偏頭痛治療器の世界市場規模は、2021年に3億827万米ドルと推定され、2022年には3億4463万米ドルに達すると見込まれる。2027年にはCAGR11.97％で成長して6億754万米ドルに達すると予測される。</p><p>また、<a href="https://migrainetrust.org/live-with-migraine/healthcare/treatments/medical-devices/">AMERICAN MIGRAINE FOUNDATION</a>(米国偏頭痛財団)によると、偏頭痛の既往がある人は、ない人に比べてコロナ後の頭痛を発症しやすいという研究結果が出ている。また、偏頭痛の既往がある患者は、コロナの感染後に偏頭痛の発作が増加することが確認されているため、今後のデジタル偏頭痛治療器市場の動向には注目である。</p><p>以降では、海外で上市している偏頭痛のデジタルソリューションを5つ取り上げてそれぞれの利用方法や特徴について解説する。</p><h3>1. Cefaly</h3><p><a href="https://www.cefaly.com/">Cefaly</a>はアメリカやヨーロッパで中心に利用されており、偏頭痛の治療デバイスであり、急性期治療と予防療法の両方が可能である。デバイスを額につけて、電源ボタンを押すことによって作動し、三叉神経を刺激することで痛みを和らげる。急性期に関しては60分で痛みが和らぐとされており、予防療法に関しては毎日20分装着することで効果があるとされている。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/cbd735e7-b8a9-4cdb-9033-f4f2e34ce662-cefaly.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>Cefalyはこれまで20億もの偏頭痛の治療を提供している。また、2020年にはFDAでOTC(Over the counter)の承認を受けて、医師の処方なしに5万円(€349)でオンライン購入することができる。</p><h3>2. Nerivio</h3><p><a href="https://www.getnerivio.com/">Nerivio</a>はアメリカで利用されており、急性期治療用のデバイスで、スマートフォンのアプリと連動しており、利用履歴を管理できる。頭痛発作が起こった時に腕の上側にデバイスを装着し、電気信号を受けることで治療する。電気信号の強さはアプリで調整することが可能で、45分ほど装着することで痛みを和らぐとされている。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/fe5653e7-87b4-4969-a6db-9be608e4c77b-Nerivio.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>Nerivioは処方箋が必要なデバイスで、購入する際の費用を10ドルにまで引き下げることができる患者節約プログラムを提供している。また、12回利用した後にはデバイスを買い替える必要がある。</p><h3>3. Relivion MG</h3><p><a href="https://www.relivion.com/">Relivion MG</a>もアメリカで利用されており、急性期治療用のデバイスで予防療法用ではない。後頭神経と三叉神経の6つの枝を正確にターゲットし、活性化することで、偏頭痛の症状の原因となる2つの主要な神経経路を刺激するデバイスで、スマートフォンのアプリとも連動している。頭痛発作が起こった時に2時間装着することで痛みが和らぐとされている。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/9e86c9d9-ee34-46b0-99a3-e43f23c992e5-RelivionMG.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>デバイスの治療データ、環境、ライフスタイル、偏頭痛の情報を、リリビオンMGダイアリーから収集することができる。アプリで蓄積されたデータは安全なクラウドデータベースに送られ、そこで分析された後、医師に送信される。Relivion MGは処方箋が必要なデバイスであり、購入する際の金額は不明である。</p><h3>4. gammaCore</h3><p><a href="https://www.gammacore.com/">gammaCore</a>はアメリカで利用されており、急性期治療と予防療法の両方が可能である。偏頭痛の原因となる首の神経に優しい電気刺激を与え、治療中は、デバイスを首の横に保持する。急性期治療の際は頭痛発作が起こってから、2分ほど首にデバイスを当てることで、痛みが和らぎ、予防療法としては、1日３回実施することで効果があるとされている。デバイスを使用する際は手で首の正しい位置を探した上で、デバイスの表面に専用のジェルを塗って利用する。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/2aac1909-66e1-4c5d-a247-c4a8b29843f3-gammaCore.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>gammaCoreは処方箋が必要なデバイスで、ウェブサイトでは遠隔医療プログラムを提供しており、3ヶ月の利用に450ドルである。</p><h3>5. sTMS mini</h3><p><a href="https://www.eneura.com/">sTMS mimi</a>はアメリカやヨーロッパで中心に利用されており、偏頭痛の治療デバイスであり、急性期治療と予防療法の両方が可能である。後頭部にデバイスを当てて、ボタンを押すだけで、偏頭痛発作の治療や発症予防のための磁気パルスを照射することができる。オンライン偏頭痛ダイアリーで、症状や治療の経過を記録し、医師との共有も可能である。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/13a22efd-8a2c-4db1-9e84-21a073c60510-sTMS.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>sTMS miniは処方箋が必要なデバイスであり、購入する際の金額は不明である。</p><h2>日本のデジタル関連の偏頭痛対策では沢井製薬やLINEヘルスケアが挙げられるが、治療に関しては薬が主要である</h2><p>2021年1月28日に沢井製薬株式会社は、偏頭痛およびうつ病向けのデジタル医療機器について、上記で挙げたRelivionMGを開発したNeurolief社と日本における独占開発販売契約を締結したことを<a href="https://www.sawai.co.jp/release/pdf/521">発表</a>した。プレスリリースによると、沢井製薬は2022年を目処に偏頭痛のデバイスをPMDAに申請する予定となっている。</p><p>また、スマートフォンでの記録サービスとしては2021年の8月からLINEヘルスケアとアムジェン社が連携し偏頭痛の予防啓発を目的としたLINE公式アカウント「<a href="https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2021/3865">片頭痛＠LINEヘルスケア</a>」を提供している。サービス内の偏頭痛の症状を記録・確認することができる「頭痛ダイアリー」機能では、頭痛の程度や痛みの種類、頭痛の要因、服用した薬などをLINE上で記録することができる。また、定常的に頭痛発生時の状況を記録しておくことで、日常生活の中での行動と頭痛の誘因を把握することができるほか、医師への症状・治療効果の共有も、「頭痛ダイアリー」を通じて、スムーズに行うことが可能である。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/96423794-7c9a-454c-9aa9-c71f4e2b4b43-LINEHealthcare.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p>12月からアムジェン社はJMDCとも連携してLINEヘルスケア上で「<a href="https://www.amgen.co.jp/media/news-releases/20211207">片頭痛リスク予報サービス(Health Weather(R))</a>」を提供している。これにより疾患と気象条件の相関関係を統計的に解析することで、偏頭痛の発症・重症化リスクを予測するAIモデルを活用したサービスを提供している。</p><p></p>

海外では偏頭痛へのデジタルソリューションが進んでおり、市場も拡大傾向にある。本項では、海外の偏頭痛に対するデジタルソリューションの事例を見つつ、日本の偏頭痛対策の最近の動向についても取り扱う

海外の片頭痛デジタルソリューションと日本の動向

近年、欧米での医療で患者のバリューに着目した治療が広がっている。日本においてバリュー・ベースド・ケアの概念が十分浸透しているとは言えないが、今後重要になることは間違いない。
本記事では、バリュー・ベースド・ケアの背景から実際の取り組みまで幅広く調査した。

バリューベースドケアとは何か？今後の医療になぜ必要か？

<p>医薬品卸事業者によるヘルスケア市場への投資が進む</p><p>2020年４月1日スズケンがエンブレースの株式を取得し子会社化した。</p><p>スズケンは医薬品の卸売・物流、医療機器の製造・販売を手がけている。また、　エンブレースは医療介護のソーシャルプラットフォームを提供する企業であり、医療・介護従事者と家族のコミュニケーションツール「メディカルケアソリューション(MCS)」を運営している。</p><p>スズケンはなぜ医療品卸売業とは分野の違う事業に投資したのだろうか。医療品卸業の存在感は日本のヘルスケア市場においてとても大きい。大手4社(メディパル、アルフメッサ、スズケン、東邦HD)の時価総額は合計で1兆5000億円にもおよぶ。</p><p>そこで4社のヘルスケア関連領域への投資事例やM&amp;A事例をリストアップし分析し、今後国内の医薬品卸業界がどのように変革していくのかを検討していきたい。</p><h2>今回取り上げる大手医薬品卸企業4社</h2><p>本記事では、以下の4社の投資事例をリストアップし、傾向の分析を行う。</p><h3>メディパルHD</h3><ul><li>医薬品、化粧品、日用雑貨、食品加工原料を主に扱う卸売企業である。</li><li>資本金：223億9800万円</li><li>約5000社の企業の製品を取り扱い、病院、薬局、スーパーマーケット、加工食品メーカーに供給している。</li></ul><h3>アルフレッサ</h3><ul><li>医療用医薬品、医療機器、医療用検査試薬、介護用品、健康食品、一般用医薬品等の卸売販売を行なっている。</li><li>資本金：40億円</li><li>物流だけでなく、医療機関向け総合サービスサイト「alf-web」を運営し、医療機関の支援、診療報酬や医療機器に関する情報発信も行なってる。</li></ul><h3>スズケン</h3><ul><li>医療用医薬品、試薬、医療用機器、医療材料、食品などの販売、ならびに医療用機器の開発を行なっている。</li><li>資本金：223億9800万円</li><li>希少疾患領域の総合支援事業にも取り組んでいる。医薬品卸としては初の試み。また、医薬品物流事業を韓国にも展開している。</li></ul><h3>東邦HD</h3><ul><li>医薬品卸売事業、調剤薬局事業、医薬品等製造販売事業、臨床試験受託・支援事業などを行なっている。</li><li>資本金：106億4900万円</li><li>国内のみならず韓国、中国の上海、青島でも医薬品卸売業を拡大している。</li></ul><p>ここで、4社のヘルスケア関連領域のスタートアップへの投資事例やM&amp;A事例をリストアップし、今後国内の医薬品卸業がどのように変化していくのかを考えてみたい。</p><h2>主要4社の過去5年の投資・M&amp;A実績</h2><h3>メディパルHD</h3><p>2016年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>JCRファーマ株式会社</p></td><td><p>医薬品の研究開発。</p></td><td><p>開発を支援し、製品化されたのちに自社の流通と用いて普及促進を行う。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社エムティーアイ</p></td><td><p>医療、生活情報コンテンツの配信事業。</p></td><td><p>メディパルHDの流通・販売網とエムティーエムの情報網を組み合わせて事業発展に挑む。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社ファンペップ</p></td><td><p>大学発ベンチャーによる医薬品の研究開発。</p></td><td><p>開発を支援し、製品化されたのちに自社の流通と用いて普及促進を行う。</p></td></tr></tbody></table><p>2017年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>大塚倉庫株式会社</p></td><td><p>医薬品の流通を行なっている。</p></td><td><p>物流資材(トラック・コンテナ等)を共同利用化することによって医薬品供給のさらなる効率化と安定化を行う。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社スコヒアファーマ</p></td><td><p>武田薬品工業株式会社、株式会社産業革新機構と共同出資で設立した創薬ベンチャー。</p></td><td><p>治療薬開発と製品の流通促進を行う。</p></td></tr><tr><td><p>JCR USA Inc.</p></td><td><p>JCRファーマ株式会社と米国にて新たに設立。</p></td><td><p>共同開発中の医薬品の臨床試験を米国で行う。</p></td></tr></tbody></table><p>2018年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>クリニカル・プラットフォーム株式会社・株式会社エムティーエム</p></td><td><p>電子カルテの開発を共同で行っている。</p></td><td><p>メディパルの営業力を活かすことでクラウド電子カルテの普及促進を行う。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社カラダメディカ</p></td><td><p>医師、看護師、薬剤師による健康相談サービス「CARADA健康相談」を運営している。</p></td><td><p>医療のICT化を促進するためにオンライン診療や電子カルテのためのヘルスケアプラットフォームの構築を行う。</p></td></tr></tbody></table><p>2019年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社Doctorbook</p></td><td><p>「患者が主体的に治療選択肢を知る」ための意思が発信する医療情報メディア</p></td><td><p>医療情報ポータルサイ ト「Clinical Cloud by MEDIPAL」を構築する</p></td></tr><tr><td><p>DPネットワーク株式会社</p></td><td><p>医薬品専門運送会社</p></td><td><p>製薬企業→医薬品卸が専門のDPネットワークと医療卸→医療機関が専門のメディパルが連携することでより効率的な流通を目指す。</p></td></tr><tr><td><p>Promethera Biosciences S.A.</p></td><td><p>新薬の治療開発。</p></td><td><p>---</p></td></tr></tbody></table><p>2020年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>Heartseed株式会社</p></td><td><p>大学発ベンチャーによる新規治療開発(再生医療)</p></td><td><p>メディパルが持つ再生医療等製品の流通に関する経験とノウハウを活用し、製品開発の推進を行う。</p></td></tr></tbody></table><p>2021年</p><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社ソラミチシステム</p></td><td><p>クラウド薬歴事業</p></td><td><p>医療・ヘルスケア領域のICT化を普及促進し、ヘルスケアプラットフォーみの構築を行う。</p></td></tr><tr><td><p>SBIインベストメント株式会社</p></td><td><p>AI、ブロックチェーンなどの次世代産業への投資に力を入れている投資会社</p></td><td><p>ファンド設立によって希少疾患の医薬品開発の投資を活性化させる。</p></td></tr></tbody></table><h2>アルフレッサ</h2><h3>2017年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社日本アポック</p></td><td><p>調剤薬局事業</p></td><td><p>アルフレッサの子会社である調剤薬局と事業の共同化を行うことで、流通の合理化を行う</p></td></tr></tbody></table><h3>2020年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社日本アポック</p></td><td><p>調剤薬局事業</p></td><td><p>アルフレッサの子会社である調剤薬局と事業の共同化を行うことで、流通の合理化を行う</p></td></tr><tr><td><p>株式会社エクスメディオ</p></td><td><p>医師の情報共有プラットフォーム「ヒポクラ×マイナビ」の開発・運営</p></td><td><p>医薬品卸業界最大規模の流通ネットワークと情報提供プラットフォームを組み合わせて新たな情報共有プラットフォームを作る。</p></td></tr><tr><td><p>ヒューマンライフコード株式会社</p></td><td><p>再生医療による新規治療研究開発</p></td><td><p>新たに開発された再生医療等製品の安定的な流通体制の確立</p></td></tr><tr><td><p>ファーマバイオ株式会社</p></td><td><p>再生医療等製品の開発・製造</p></td><td><p>新たに開発された再生医療等製品の安定的な流通体制の確立</p></td></tr><tr><td><p>株式会社遺伝子治療研究所</p></td><td><p>遺伝子治療技術の研究開発および治療薬の開発</p></td><td><p>遺伝子治療の開発支援、製品の輸送手段の構築</p></td></tr><tr><td><p>株式会社インテグリティ・ヘルスケア</p></td><td><p>オンライン診療システムの構築</p></td><td><p>オンライン診療と医薬品・医療機器の流通を組み合わせた仕業拡大を行う。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社メトセラ</p></td><td><p>再生医療等製品の研究開発</p></td><td><p>新たに開発された再生医療等製品の安定的な流通体制の確立</p></td></tr></tbody></table><h3>2021年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>ドーナッツロボティクス株式会社</p></td><td><p>ロボット技術開発や翻訳技術などのIT技術開発</p></td><td><p>次世代技術を扱う企業と連携を組むことによってウェアラブルデバイスやオンライン診療などの新規事業領域への拡大を試みる。</p></td></tr></tbody></table><h2>スズケン</h2><h3>2016年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社ポクサンナイス</p></td><td><p>韓国での医薬品流通事業</p></td><td><p>医薬品卸事業を韓国に拡大</p></td></tr></tbody></table><h3>2017年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>ヤマト科学株式会社</p></td><td><p>李科学研究機器メーカー</p></td><td><p>医薬品流通技術の開発・製造の委託</p></td></tr><tr><td><p>株式会社EPファーマライン</p></td><td><p>EPSホールディング株式会社と共同で設立</p></td><td><p>医薬品の営業委託・コンタクトセンターサービスの拡充</p></td></tr></tbody></table><h3>2019年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社Welby</p></td><td><p>PHR(Personal Health Record)(個人によって電子的に管理される医療情報)サービスの提供</p></td><td><p>PHRを活用して、スズケンの流通先である医療機関の治療効果向上と業務効率化のために技術開発を行う。</p></td></tr><tr><td><p>株式会社TSファーマ</p></td><td><p>東邦HDと共同設立</p></td><td><p>安価で高品質な後発医薬品の安定供給</p></td></tr></tbody></table><h3>2020年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>ドクターズ株式会社</p></td><td><p>医師×ITによりデジタルヘルスサービスの構築・流通・販売を支援する。</p></td><td><p>デジタルヘルスケアサービスと提供する企業と連携することで医療プラットフォームを構築・運用する。</p></td></tr><tr><td><p>サスメド株式会社</p></td><td><p>不眠症治療アプリの開発、ブロックチェーンを用いた臨床開発支援システムの開発</p></td><td><p>スズケンが開発する新技術のデータ管理や分析をサスメドと行い、開発の効率化を図る。</p></td></tr></tbody></table><h3>2021年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>エンブレース株式会社</p></td><td><p>医療介護専用SNS「メディカルケアステーション(MCS)」の運営</p></td><td><p>物流ネットワークとMCSの医療者ネットワークを融合することで双方の事業拡充を行う。</p></td></tr></tbody></table><h2>東邦HD</h2><h3>2016年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>大洋薬品グループ</p></td><td><p>西日本を中心とした後発医薬品の卸売企業</p></td><td><p>西日本における営業力の強化</p></td></tr><tr><td><p>株式会社エムコム九州</p></td><td><p>九州エリアの医薬品卸売事業</p></td><td><p>九州エリアにおける営業力の強化</p></td></tr><tr><td><p>株式会社大正堂</p></td><td><p>三重県を中心とした後発医薬品の卸売事業</p></td><td><p>三重県における営業力の強化</p></td></tr></tbody></table><h3>2017年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>有限会社日豊メディック</p></td><td><p>宮城県を中心に後発医薬品をメインに取り扱う医薬品卸会社</p></td><td><p>宮城県における営業力の一層強化</p></td></tr></tbody></table><h3>2018年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社アビシオン</p></td><td><p>新規治療薬開発</p></td><td><p>開発支援、新たに開発された検査キットの安定的な販売・流通体制の確立</p></td></tr><tr><td><p>へカバイオ株式会社</p></td><td><p>新規治療薬開発</p></td><td><p>開発支援、新たに開発された検査キットの安定的な販売・流通体制の確立</p></td></tr></tbody></table><h3>2019年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社TSファーマ</p></td><td><p>スズケンと共同設立</p></td><td><p></p></td></tr></tbody></table><h3>2020年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>Drawbridge Health Inc.</p></td><td><p>臨床検査用血液サンプルを簡便に採取・輸送できる採血デバイス</p></td><td><p>開発した採血デバイスを国内で流通させる。</p></td></tr><tr><td><p>エンタッチ株式会社</p></td><td><p>医薬品の有効性や安全性など医師が求める情報提供をライブで行っている</p></td><td><p>コロナ渦に対応したMR業務の強化</p></td></tr><tr><td><p>クリングルファーマ株式会社</p></td><td><p>新規治療開発を行う大学発ベンチャー</p></td><td><p>新規治療薬の卸売販売流通を行う。</p></td></tr><tr><td><p></p></td><td><p></p></td><td><p></p></td></tr></tbody></table><h3>2021年</h3><table><tbody><tr><th><p>投資・M&amp;Aした企業名</p></th><th><p>事業内容</p></th><th><p>今後目的</p></th></tr><tr><td><p>株式会社キュービクス</p></td><td><p>癌検査キットの大学発ベンチャー</p></td><td><p>新たに開発された検査キットの安定的な販売・流通体制の確立</p></td></tr></tbody></table><h2>投資・M&amp;A実績から推定できること</h2><p>過去の投資・M&amp;A実績から、医薬品卸業界の今後の事業拡大に関しては以下のことが考えられる。</p><ul><li>新規治療の開発支援に力を入れるとともに、その治療デバイスが製品化された後は流通を支援、促進する。</li><li>オンライン診療などのデジタルケアサービスに参入することによって医療製品の流通の効率化と促進を目指す。</li><li>国内のみならず韓国・中国などのアジアにおいても医薬品卸業の拡張を目指している。</li><li>地域密着型の企業と提携することで後発医薬品の流通・営業力の強化する。</li><li>コロナ渦の中でも営業活動を持続していくために、オンラインでのMR活動を拡充していく。</li></ul><p>今回見てきた主要4社は医療品卸売業だけでなく、医療製品の開発から新製品の普及にまで力を入れている。また、オンライン診療や情報提供プラットフォームの構築に参入することで新たな医療サービスへ進出する動きもある。さらにコロナ渦の影響で、医薬品の営業がオンライン化したこともあり、医療者向けのポータルサイト運営などの情報発信事業も活発化してきている。</p><p>これらのことから医療品卸業界は今後、従来の業務のみならず新規治療開発、次世代の診断、診察システムの構築、国内にとどまらないグローバルな流通システムの確立に挑んでいくことが考えられる。</p><p></p>

医薬品卸大手4社のベンチャーへの出資・M&A事例をリサーチしました。

医療品卸大手４社のベンチャー出資事例を調べてみた

<div data-toc="true">ここに目次が挿入されます</div><h2>日本のメディカル・バイオ・ヘルスケア領域のVCの活動状況は？</h2><ul><li>過去10年強の間で、日本におけるバイオテクノロジーのスタートアップ企業数は約3倍に増加しています（2008年・2018年比）。</li><li>過去5年間で、日本の診断・モニタリング技術や医療機器の企業に対するVC投資が4倍以上増加しています。</li><li>今回は日本におけるメディカル・バイオ・ヘルスケアVCの投資事例についてリサーチしていきます。</li></ul><h2>株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/e46b17bd-6b0f-49cf-94d7-bb46dcb8beb8-ggg.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://www.globiscapital.co.jp/ja/</p><p></p><p>●概要　<br>総合的に支援する日本初の本格的ハンズオン型ベンチャーキャピタルとして代表取締役 堀 義人氏が1996年に設立しています。 2019年には400億円の第6号ファンドを設立しています。幅広いラウンドで投資をしていますが、シリーズA以降が中心のようです。。</p><p>●具体的な投資企業<br>・株式会社メドレー：オンライン病気辞典、オンライン診療システムなどのシステム開発<br>・株式会社カケハシ：薬局と患者を結ぶクラウド型電子薬歴システム「Musubi（ムスビ）」を展開<br>・株式会社AIメディカルサービス：内視鏡画像解析AIを開発する<br>・SDPジャパン株式会社：高い技術を備えた専門医向けに医療施設の開業を支援するプロデュース事業を展開<br>・株式会社よりそう：インターネットを介した葬儀・供養サービスの提供。<br>・ファストドクター株式会社：全国の医療機関から構成されている時間外救急の総合プラットフォーム「ファストドクター」の運営。<br>・株式会社YOJO Technologies：かかりつけオンライン薬局「YOJO」を運営。<br>など多数に投資しています。</p><p>●投資ステージ&nbsp;<br>シード・ラウンドから時価総額1,000億円を超えるユニコーン・ラウンドまで（”First to Last”）継続的に投資支援しています。</p><p>●参考資<br>https://www.globiscapital.co.jp/ja/</p><h2>株式会社ファストトラックイニシアティブ</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/037f2bf2-613b-470e-bbbe-4dae77d378c4-ffff.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://www.fti-jp.com/</p><p></p><p>●概要　<br>2004年3月に代表パートナーを木村廣道、安西智宏氏として設立されています。バイオ・ヘルステック領域に特化したベンチャーキャピタルファンドの運営をしています。国内主要大学研究機関との強力なネットワークを生かし、アーリーステージのベンチャー企業への投資を行っておりバイオベンチャーエコシステムの構築に積極的に取り組んでいます。「ベンチャーのちからを、いのちへ、くらしへ」をミッションにライフサイエンス及びヘルスケア分野における投資及び企業支援を行うベンチャーキャピタルです。 2019年にはボストンに投資子会社を設立し、日本企業の研究開発支援及び投資先発掘を行っています。2021年2月には3号ファンドを組成し、これまでと同じくバイオ、ヘルスケア分野への投資及び企業支援を行うと共に、COVID-19に関連した事業を行う企業への投資も検討する予定です。ファンドの運用サイズについては、１号ファンド27.9億円、２号投ファンド71.2億円（運用中）、3号ファンド83億円（運用予定）となっています。</p><p>●具体的な投資企業<br>・株式会社モダリス：ゲノム編集酵素CRISPR-Cas9の改変技術に基づく独自のプラットフォーム技術CRISPR-GNDM<br>・メタジェンセラピューティクス株式会社：腸内細菌移植療法(FMT)に用いる製剤の開発と、腸内細菌叢データの活用によるマイクロバイオーム創薬に取り組む<br>・リーズンホワイ株式会社：「医療xIT」を軸に医療機関や周辺事業者へ提供するデータベース事業、および医師と医師、患者と医師をマッチングするサービス事業<br>・メディフォン株式会社：「電話/ビデオ医療通訳」、「医療機関向け外国人患者受入れ教育」、「外国人患者の医療費未払い防止」の事業<br>・ファストドクター株式会社：患者と医療機関をつなぐ時間外救急のサービスプラットフォーム「ファストドクター」を提供</p><p>●投資ステージ&nbsp;<br>商品やサービスのプロトタイプ（モック）を持つアーリーステージからPreIPOまで幅広く投資しています（アイデアや企画のみの場合は対象外）。</p><p>●参考資料<br>https://www.fti-jp.com/</p><h2>バイオ・サイト・キャピタル株式会社</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/e02481ac-cf8f-4d0f-8fd3-c4d97951ef39-fofo.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://www.bs-capital.co.jp/</p><p></p><p style="text-align: start">●概要　<br>2002年12月に代表取締役の谷　正之氏が設立しています。主要事業は総合的インキュベーション事業で、具体的には、ラボ事業、投資事業、その他上記に付随する関連事業です。ライフサイエンス・バイオベンチャーの成長にはウェット実験可能な研究拠点が必要との考えから、投資育成事業だけに限らず、大阪（彩都）、神奈川（新川崎）、沖縄（うるま）の３拠点で７棟のレンタルラボを運営しています。運用中のファンドは２つありますが、ファンドサイズはネットの検索では不明でした。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>・株式会社総合医科学研究所<br>・カルナバイオサイエンス株式会社<br>・株式会社スリー・ディー・マトリックス<br>・沖縄プロテイントモグラフィー株式会社<br>・アンチエイジングペプタイド株式会社<br>・ライトタッチテクノロジー株式会社<br>・株式会社e-NA Biotec<br>・MHペプタイド株式会社<br>・株式会社ミーバイオ<br>・BioAlchemy株式会社<br>・株式会社アイ・ブレインサイエンス<br>など多数に投資しています。</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>商品やサービスのプロトタイプ（モック）を持つアーリーステージからPreIPOまで幅広く投資しています（アイデアや企画のみの場合は対象外）。</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://www.bs-capital.co.jp/</p><h2>株式会社ヘルスケア･イノベーション</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/a24725e1-3d8a-459a-b1e3-f5636b8de75d-HCI.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://hcinnovation.jp/</p><p></p><p style="text-align: start">●概要　<br>2017年2月に代表取締役会長　大滝義博氏、 代表取締役社長　宮田　満氏として、東京都で操業しています。急激に発展し続けているヘルスケア産業の担い手となる「未来を切り拓くヘルスケア関連ベンチャー企業」を見出し， 投資・育成することを目的に設立されました。プレIPO段階にあるバイオベンチャーと革新的な技術・製品シーズを持つベンチャー企業やベンチャー創業を考えているチームを投資対象としています。ファンドサイズは不明でした。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>・株式会社CureApp：国内初の治療用アプリとなる医療機関向けの「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」の開発<br>・ノイルイミューン・バイオテック株式会社：「CAR-T療法」を主とした次世代型免疫療法の開発<br>・タグシクス・バイオ株式会社：人工塩基含有DNAアプタマー医薬品「Xenoligo」の研究、開発、創薬事業</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>プレIPO段階にあるバイオベンチャーと革新的な技術・製品シーズを持つベンチャー企業やベンチャー創業を考えているチーム</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://hcinnovation.jp/</p><h2>株式会社キャピタルメディカ・ ベンチャーズ</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/cf7ffeef-e244-4104-b183-f0a4c449b66d-vvv.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://capimedi.com/cmv/</p><p></p><p style="text-align: start">●概要　<br>設立は2016年11月で代表取締役 青木 武士 氏です。事業内容はベンチャー投資育成事業、勉強会、セミナー運営等を行なっています。投資金額 1千万円～数億投資対象です。技術シーズの段階から、大学、各省庁、協力者、専門家、投資家、事業会社とのネットワークを活かして、事業化を行っているベンチャーキャピタルです。ファンドサイズは神奈川県と12億円規模のファンドを作っていること以外は不明でした。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>・Sketter<br>・KNOCK ON THE DOOR<br>・EMIMEN<br>・Adria kaimi<br>・MITAS Medical<br>・Epigno<br>・HCMJ<br>・株式会社ワンライフ<br>など他にも多数</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>商品やサービスのプロトタイプ（モック）を持つアーリーステージからPreIPOまで幅広く投資しています（アイデアや企画のみの場合は対象外）。</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://capimedi.com/cmv/</p><h2>D3 LLC | D3バイオヘルスケアファンド</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/08b03914-6b75-42f3-a29d-cd69dbc356c9-1234.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p style="text-align: start">●概要　<br>2017年2月にマネージング・パートナー　永田智也氏を中心に設立されています。「世界の医療健康への貢献」をミッションに、有望な科学技術シーズや事業アイデアへの資金提供(Discovery)に留まらず、経営者と伴に、有意義なプロダクト・サービスの創造とそれらを顧客に届けるためのビジネスモデルの構築(Development)を通じて、科学技術・アイデアの社会実装(Deployment)を志します。ベンチャーキャピタルに関しては、投資の数を目的とせず、バイオヘルスケア領域のグローバル・スタンダードにも従い、少数の投資先に丁寧な支援を行います。ファンドサイズは30億円規模の1号ファンドがあります。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>記載なし</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>ステージは問わないが、アーリーステージのバイオ・ヘルスケアスタートアップが中心と述べておりました。</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://www.d3growth.com/jp/</p><h2>MedVenture Partners株式会社</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/7a8fd1cf-1ea4-4cf9-bf1a-930c9f5e00d5-pppppp.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>https://www.medvp.co.jp/</p><p></p><p style="text-align: start">●概要　<br>2013年に大下 創氏を代表取締役社長として創業しています。日本発の医療機器技術の商業化成功モデルを構築することを目的として設立された、国内初の医療機器分野に特化したベンチャーキャピタルです。医療機器分野の事業化においては、医療機器特有の課題や、事業化戦略が必要なため、開発に必要な各ステージにおける専門家を集め、独自の事業化支援を行っています。ファンドサイズは1号ファンドが60億円、2号ファンドが99億円（2019年）となっています。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>・Biomedical Solutions株式会社<br>・C2Therapeutics, Inc.<br>・Cathera, Inc.<br>・Arrinex, Inc.<br>・株式会社mediVR<br>・株式会社Alivas<br>・株式会社Mari<br>など多数に投資しています。</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>投資対象は、医療機器を主としたライフサイエンス分野における、ベンチャー企業を対象としています。対象ステージは、シード・アーリーからレートステージまでの全ステージが投資対象となっています。</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://www.medvp.co.jp/</p><h2>株式会社 DCIパートナーズ</h2><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/be8d7921-a570-440a-b73d-4f021f1d17fa-DCI.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p>https://www.daiwa-inv.co.jp/dcip/</p><p style="text-align: start">●概要　<br>代表取締役社長 成田 宏紀氏が2014年5月に東京で設立しました。事業概要はバイオ分野に特化したベンチャーキャピタルファンドの運営です。ファンド総額 1号ファンドが116億円、2号ファンドが140億円の規模で運用されています。創薬・再生医療分野に特化したベンチャーキャピタルです。 NIF（現大和企業投資）時代を通じて、２０年以上バイオ分野への投資を行ってきた経験を生かし、特化型VCとして、国内最大の資金を運用し、将来の産業を担う成長企業へリスクマネーを供給しています。</p><p style="text-align: start">●具体的な投資企業<br>・ノイルイミューン・バイオテック株式会社：「CAR-T療法」を主とした次世代型免疫療法の開発<br>・株式会社ボナック：「ボナック核酸」を利用した核酸医薬の開発。<br>・C4U株式会社：CRISPR/Cas3 を用いたゲノム編集技術に関する研究開発。<br>・桃太郎源株式会社：がん治療遺伝子REICをがんの治療薬として実用化するための製剤の開発、知的財産の獲得、臨床試験の実施などの創薬事業<br>など多数に投資しています。。</p><p style="text-align: start">●投資ステージ&nbsp;<br>日本と台湾の政府系機関や企業から出資を受け、日本と台湾のスタートアップに投資しています。</p><p style="text-align: start">●参考資料<br>https://www.daiwa-inv.co.jp/dcip/</p><h2>まとめ</h2><ul><li>近年は国内外でヘルスケア領域の投資が増加傾向です</li><li>しかしながら日本国内企業で海外からの投資を受けている企業は少ない状況です。</li><li>今後のグローバル展開を見据える上でも、国内外でのヘルスケア領域投資の動向には注意が必要です。</li></ul><p style="text-align: start">【参考文献】<br>https://capimedi.com/20210709pr/<br>https://capimedi.com/wordpress/wp-content/uploads/2021/06/Impact-Report-2020_CMV.pdf<br>https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3127G0R30C21A5000000/<br>https://fundpress.jp/clumn_vc-investcategoly/<br>https://www.siif.or.jp/assets/pdf/publication/2019_HNF_repot_final.pdf<br>https://www.siif.or.jp/assets/pdf/publication/2018_NHF_report.pdf<br>https://www.shonan-health-innovation-park.com/siteassets/pdfs/news/innovation-quarterly/vol.2_2021-04/2021-04-innovation-quarterly-03_vcreport_j.pdf</p><p></p>

  今回は日本におけるメディカル・バイオ・ヘルスケアVCの投資事例についてリサーチしています。

メディカル・バイオ・ヘルスケアVC：その1

<div data-toc="true">ここに目次が挿入されます</div><p></p><p>JMDCの勢いが止まらない。企業価値はこの9年で約200倍にまで増えている。2013年、経営危機に陥っていたオリンパスは、JMDCを含む医療関連企業をノーリツ鋼機に売却した。内視鏡に経営資源を集中投下したいオリンパスと医療分野を強化したいノーリツ鋼機の思惑が重なった。ノーリツ鋼機による買収の際は企業価値が約20億円だったが、近年の時価総額はそれをはるかに上回る4000億円付近を推移している。（<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD280UE_Y3A320C1TJ0000/">参考</a>）なお2022年2月にノーリツ鋼機がオムロンへJMDCの株式33%を売却したいため、現在JMDCはノーリツ鋼機の連結子会社からは外れている。（<a href="https://jp.reuters.com/article/omron-jmdc-idJPKBN2KR0GE">参考</a>）</p><h2>JMDCの事業について確認！</h2><p>JMDCは2002年に創業した会社で、ヘルスビッグデータ活用サービスを中心に事業を展開する会社である。2021年3月期の売上高は167億円で前年比38%の増加、営業利益は36億円で前年比22%の増加である。<br><br><br>MDCは現在、大まかに3種類の事業を展開している。①レセプトデータなどのヘルスビッグデータ活用サービス②遠隔読影を中心とする遠隔医療サービス③調剤薬局支援の３つである。このうち最も業績に貢献しているのはヘルスビッグデータで売上においては約60%、EBITDAそにおいては約75%を占めている。<br>①ヘルスビッグデータ活用サービスについてはさらに３つ細分化することができる。まずひとつ目は製薬企業や保険企業向けのものである。JMDCが提供するデータを、製薬企業は薬剤の価値を高める解析、保険会社は商品開発などに活用している。２つ目は保険者や生活者向けのもので健康保険組合向けサービスとPep Upを展開している。レセプトや処方履歴などの情報を集積し、医療費抑制の施策立案、健診受診勧奨や重症化予防のほか、特定保健指導事業も行なっている。３つめは医療提供者向けで、医療機関へのコンサルティング、ファイナンスなどを行なっている。</p><h2>JMDCの過去5年の買収企業リスト</h2><p>2017年と2022年は該当無し</p><h2>2018年</h2><table><tbody><tr><td><p>企業名　</p></td><td><p>事業内容</p></td></tr><tr><td><p>株式会社ドクターネット</p></td><td><p>診断画像の遠隔読影（<a href="https://dr-net.co.jp">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>株式会社ユニケソフトウェアリサーチグループ</p></td><td><p>保険薬局や薬剤師を支えるレセコン、電子薬歴、医薬品データベース等のメディカルヘルスケアソリューション（<a href="https://www.unike.co.jp">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>株式会社クリンタル</p></td><td><p>医師検索、健康相談サイト（<a href="https://clintal.com">ウェブサイト</a>）</p></td></tr></tbody></table><p></p><h2>2019年</h2><table><tbody><tr><td><p>企業名</p></td><td><p>事業内容</p></td></tr><tr><td><p>有限会社エムアイ・コミュニケーションズ</p></td><td><p>医療裁判、障害認定に関する鑑定サービス（<a href="">ウェブサイト</a>）<br>JMDCではなく、JMDC参加のドクターネットによる買収。</p></td></tr></tbody></table><h2>2020年</h2><table><tbody><tr><td><p>企業名</p></td><td><p>事業内容</p></td></tr><tr><td><p>ミーカンパニー株式会社</p></td><td><p>医療機関、調剤薬局、介護事業所のオープンデータを統合したデータベース「SCUEL」の提供（<a href="https://mecompany.me/service/">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>エヌエスパートナーズ株式会社</p></td><td><p>資金調達ニーズに応えるための診療報酬 債権ファクタリングに加え、オペレーション改善、マーケティング・集患、採用支援など経営改善を「実装」するコンサルティングサービス（<a href="https://nspkk.com">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>株式会社&nbsp;flixy</p></td><td><p>AI受診相談（診療科と受診のタイミングが分かる）、ウェブ問診（<a href="https://www.flixy.co/#service">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>株式会社医薬情報ネット</p></td><td><p>学会データベース事業（学会開催情報、学会演題情報）、医療用医薬品マーケティングサポート事業（<a href="https://www.pin-japan.com/service/">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>株式会社ハビタスケア</p></td><td><p>糖尿病の体質リスク評価と生活習慣リスク評価をもとに、一人ひとりに合わせた予防アクションを提案(<a href="https://www.habituscare.co.jp/service-c1qii">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>データインデックス株式会社</p></td><td><p>医薬品情報データベース。（<a href="https://www.data-index.co.jp/products/">ウェブサイト</a>）</p></td></tr></tbody></table><h2>2021年</h2><table><tbody><tr><td><p>企業名</p></td><td><p>事業内容</p></td></tr><tr><td><p>株式会社アイシーエム</p></td><td><p>床数400床以上の大規模病院を中心に国内70以上の医療機関に対して、病歴、薬歴、検査歴などのカルテ・診療データを集約し薬剤管理指導文書を自動作成するシステムを提供（<a href="https://www.i-c-m.com/business/">ウェブサイト</a>）</p></td></tr><tr><td><p>アンター株式会社</p></td><td><p>医師同士の学習プラットフォーム。医師同士のQ&amp;A、医師同士のスライド共有など（<a href="https://corp.antaa.jp/services">ウェブサイト</a>）</p></td></tr></tbody></table><p></p><h2>今後JMDCの買収活動はどうなるか</h2><p>2019年時点で、JMDCは以下のように事業を網羅していた。(<a href="https://ssl4.eir-parts.net/doc/4483/tdnet/1777877/00.pdf">成長性に関する説明資料</a>　より）</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/b1408928-80c7-4387-b587-4b7b1c6b14f3-jmdc-strategy.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p></p><p></p><p>コンサルティング（エヌエスパートナーズ）、医療画像（ドクターネット）、活動量把握（<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000018554.html">Fitbitの日本での独占販売</a>、オムロンとの資本業務提携)、<a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news2021213/">電子カルテ</a>など、図の白い部分はすでにほとんど網羅は達成している。逆に残っているのはゲノムくらいである。何か新たな分野を開拓するのではなく、既存の事業分野を強化していくのだろう。</p><p>加えて、JMDCに関する直近のニュースを見てみると以下の通り3つの傾向が読み取れる</p><ul><li>ヘルスケアデータ収集の加速、予防プラットフォームの構築<ul><li>2022年2月オムロンとの資本業務提携（参考：<a href="https://www.jmdc.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/news20220224.pdf">オムロン株式会社との資本業務提携に関する説明資料</a>）</li><li>2022年3月<a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news20220330/">ウェアラブルデータを活用したメンタル疾患予兆検知アルゴリズムに関する論文の発表</a>（Pepupや健康保険組合から得たレセプトデータと合わせて予防医療に活用）</li></ul></li><li>医師との接点構築、医師の囲い込み<ul><li>医師の学術活動を迅速に分析するクラウドサービス <a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news2021206/">「Doctorna（ドクターナ）」を提供開始</a>(2021年12月）</li><li>アンターの買収（2021年8月　JMDCにとって最も直近の買収）</li></ul></li><li>薬局に関するデータ収集<ul><li>2021年11月　<a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news20211001/">薬局データの提供開始</a></li><li>2021年12月　<a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news2021210/">保険薬局に向けた「AI 医薬品需要予測」をリリース</a></li><li>2021年12月　<a href="https://www.jmdc.co.jp/news/news2021206-2/">健康年齢の保険薬局向け提供開始</a></li></ul></li></ul><p>経営の意思決定について、上記3つのような傾向が読み取れる。そのほか、オムロンとの提携には海外進出の意図もあるのではないかと推測もできる。実際オムロンは約60%の売り上げを海外であげている。加えて、JMDCは上記オムロン株式会社との資本業務提携に関する説明資料にて、海外進出にも言及している。</p><p>以上、直近5年の買収リストまとめでした。今後もJMDC社の買収は大きくヘルスケア業界を盛り上げていくことに違いないでしょう。</p><p></p><p></p><p></p>

2002年に創業し2013年にノーリツ鋼機の連結子会社となったJMDCは急成長を続けている。
過去5年に渡り診断画像の読影事業を展開する企業から、医師同士の学習プラットフォームを展開する会社など、様々な企業を買収してきた。
今後は、ヘルスビッグデータの収集、海外への展開、薬局に関するデータ収集や医師の囲い込みに注力すると思われる。

JMDCの直近5年の買収先リストを一気見！

近年、インターネット広告の普及や、製薬企業がアプローチする患者層に変化が生まれてきており、疾患啓発広告の主たる方式はネット広告によって置き換えられるようになってきた。それに伴い、疾患啓発広告の企画や実行の担い手も、広告代理店からヘルスケアIT企業へと移行が進んでいる。本記事では、そうしたデジタルを活用した疾患啓発広告の現状について紹介する。

製薬企業が取り組む疾患啓発広告- マス広告からデジタル広告への変遷

<h2>JMDCによるリアルワールドデータ株式会社の子会社化の概要</h2><p>2022年7月12日, 株式会社JMDCは電子カルテデータ由来のRWD(リアルワールドデータ)を取り扱う、リアルワールドデータ社を子会社化することを発表した。買収額は非公表。子会社後の株式保有比率(議決権所有比率)は、92.67%となる。</p><p>JMDC社は今回の子会社化によって、臨床試験における患者リクルーティングを初めとする臨床試験に伴う医療機関における業務の効率化や、がんなどの製薬企業からのニーズが高い領域における疫学的アプローチのエビデンスとしてより提供価値を高めることが可能としている。</p><p>参考:&nbsp;https://ssl4.eir-parts.net/doc/4483/tdnet/2156384/00.pdf</p><h2>リアルワールドデータ社について</h2><p>リアルワールドデータ社は、京都に本社を置く電子カルテ由来の医療データ関連事業を行う企業である。会社名の通り、医療機関の電子カルテの中にあるデータから医学研究に利用可能なRWD(リアルワールドデータ)に関するデータベースの構築と、そのデータベースを活用した疫学研究などを行った事業を展開している。</p><p>JMDC社による開示資料によれば、直近3期の売上高は5億 ~ 6億を推移しているが、営業利益は直近2期で赤字となっている。</p><p><img src="https://storage.googleapis.com/healthtech-eye-images/e6bd6b87-95c2-4868-9af0-ae15fb61cc79-rwd-revenue.png" class="small"></p><figcaption class="caption"></figcaption><p></p><p></p><p>売上高や営業利益に関する情報だけを見ると、大きく成長している企業という風には見えないが、リアルワールドデータ社は業界内ではとても評価の高い企業となっている。特にRWDの構築とその研究また関連する研究者コミュニティには著名なメンバーが揃っており、日本のリアルワールドデータ市場の先駆者的企業である。</p><p>リアルワールドデータ社は現在、大規模医療機関を中心とした225施設から得られる2440万人分のRWDを有しており、また162の自治体とのネットワークも保有している。今回の子会社化により、JMDC社はそうした強力な事業アセットを取得することになる。</p><h2>RWD(リアルワールドデータ)とは何か？</h2><p>RWD(リアルワールドデータ)とは、広義としては電子カルテ内の診療情報データや、ウェアラブルデバイスなどから取得されたアクティビティデータ・バイタルデータの事を指し、臨床研究や医薬品マーケティングへの活用が期待されている。電子カルテデータ由来のデータは狭義のRWDに分類され、特に価値が高いものとされている。</p><p>一方で、RWDを事業活用するためには様々なハードルが考えられる。1つは医療機関内の電子カルテからデータ抽出部分である。大規模な医療機関ほどオンプレミスの環境下に電子カルテを設置しており、また医療機関毎に導入している電子カルテメーカーが異なる点や、電子カルテメーカーとの交渉が必要になる医療機関も存在することで、電子カルテからのデータ抽出は非常に根気のいるプロセスとなっている。(時間・エンジニアリング・コストいずれの面においても)</p><p>RWDを事業活用する上でのもう1つのハードルが、構築したそのRWDが臨床研究を実施するのに値する医療データベースであるかどうかを検証するバリデーション研究というものが必要になる点である。</p><p>構築したRWDのデータの母集団に偏りがないか？患者の疾患定義が研究活用するのに適した定義になっているか？など様々な観点から医療データベース自体の品質の評価を第三者が行い、そのDBの価値が認められ始めて、臨床応用が可能なデータベースとなる。</p><h2>今後のRWD市場およびJMDC社の事業について</h2><p>こうしたいくつかの事業上のハードルがあることを考えると、参入障壁は高く、事業実施可能なプレイヤーも限られている市場である。</p><p>そのため、JMDC社がリアルワールドデータ社を子会社化したことは、日本のヘルスケア市場の情勢に少なからず影響を与えるものだと考えられる。</p><p>JMDC社はすでに製薬企業向けに臨床研究・治験の業務プロセスの改善に関する事業や、レセプトデータを中心にした医療DBを活用した製薬企業向けの事業も保有しており、マネタイズで重要になる顧客接点や事業構造は持っており、その価値を大きく向上させる最後のピースを手に入れたことになる。今後のJMDC社の医療データ事業にますます注目が集まる。</p><p></p>

2022年7月12日, 株式会社JMDCは電子カルテデータ由来のRWD(リアルワールドデータ)を取り扱う、リアルワールドデータ社を子会社化することを発表した。買収額は非公表。子会社後の株式保有比率(議決権所有比率)は、92.67%となる。

JMDCがリアルワールドデータ株式会社の子会社化により医療データ事業を強化

<p>「Easiit」は、2022年3月31日（木）より順次サービスを終了し、2022年5月31日（火）をもちって全サービスを終了すると発表した。(<a href="https://www.easiit.com/topics/easiit_service">Easiitより</a>）<br>「Easiit」はサービス終了の理由を、『昨今の急激な環境変化を鑑み、Easiitのコンセプトであった「脳の健康を考える社会をつくる」ことを達成するため、現在提供させていただいているサービスについて、抜本的な見直しを行うことといたしました。』と発表している。</p><h2>Easiitとは</h2><p>Easiitとは、2020年7月より、DeNAとエーザイが共同で開始した認知症に備えるためのブレインパフォーマンスアプリである。<br>概要としては以下のようである。<br>​​「Easiitアプリ」では、ユーザーの歩数・食事・睡眠・体重の記録(ライフログ)をもとに、週替りで食事内容や運動(歩数)などに関する個別推奨メニューが提示され、さらにそれらのメニュー実施記録から、ブレインパフォーマンスによい行動や習慣について独自のスコアリングが行われます。スコアの変化や内訳などを確認し、ブレインパフォーマンスに良い習慣作りをサポートします。特に食事の記録については、食事写真をアップロードすると、自動で料理メニューを判定し、カロリーと11栄養素を年齢性別に合わせた基準値とともに表示するため、食事管理が手軽にできます。また、アプリを利用するたびにEasiitマイルが貯まり、貯まったEasiitマイルはギフト券などへの交換が可能です。他にもウェアラブルデバイスとの連携、睡眠時間の記録などの機能を通じ、「Easiitアプリ」は、ブレインパフォーマンスに良いと考えられる習慣づくりを支援します。（<span style="text-decoration:underline"><a href="https://www.eisai.co.jp/news/2020/news202047.html">プレスリリースより引用</a></span>）</p><h2>Easiit誕生の背景</h2><p>エーザイは認知症領域で35年以上にわたる創薬及び事業活動の経験を有している。また、DeNAは、ゲームやスポーツの領域で培った、利用者を楽しませ継続利用を促す独自のノウハウを保持している。<br>エーザイは、その中期経営計画である「<span style="text-decoration:underline"><a href="https://eisai-recruit.jp/strategy/">EWAY Future &amp; Beyond</a></span>」（2021年度よりスタート）にて、「認知症エコシステム」の構築に言及している。「認知症エコシステム」では医療機関、診断薬開発企業、研究機関やバイオベンチャーに加え、民間保険、金融、フィットネスクラブ、自動車メーカー、小売業、介護施設などと連携し認知症予防を図るとされている。Easiitは、この認知症エコシステムにおいて基盤となる役割を果たすと期待されていた。<br>認知症領域におけるその他の取り組みとして以下のようなものが挙げられる。例えばFCNTと共同で、脳の健康度チェックツール<span style="text-decoration:underline"><a href="https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202195.html">「のうKNOW®」の開発</a></span>を行なっている。その他、アルツハイマー型の認知症の治療薬について、<span style="text-decoration:underline"><a href="https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202189.html">EUでの承認申請</a></span>、<span style="text-decoration:underline"><a href="https://www.eisai.co.jp/news/2021/news2021102.html">アメリカでの開発加速</a></span>、<span style="text-decoration:underline"><a href="https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202138.html">伊藤園との業務提携</a></span>なども行なっている。</p><h2>エーザイについて</h2><p>日本の大手製薬会社である。売上高約6,500億円で、日本では第一三共についで第5位の売り上げである。主な製品はレンビマ（抗がん剤）、ヒュミラ（リューマチなど向け）、ハラヴェン（抗がん剤）、フィンコパ（抗てんかん薬）である。その他、コンシューマー向けのチョコラBBなどでも有名である。</p><h2>DeNAについて</h2><p>日本のインターネット関連企業。ゲーム開発などに注力している。その他事業領域としては、AI、エンタメ、オートモーティブ、スポーツなどがある。特に<a href="https://healthcare.dena.com/projects/services">ヘルスケア領域</a>については「MYCODE」「kencom」などを運営している。ヘルスケア事業について、DeNAは、「適切な成長投資を行いつつ、3年以内に黒字化を目指す」「SickケアからHealthケアへの転換を実現し、「健康寿命」を延伸する」としている。（<a href="https://ssl4.eir-parts.net/doc/2432/ir_material/158550/00.pdf">決算資料より</a>）</p><p></p>

DeNA・エーザイによる認知症に備えるためのブレインパフォーマンスアプリ「Easiit」サービス終了
Easiitはサービス終了の理由を「昨今の急激な環境変化を鑑み、抜本的な見直しを行うため」としている。

DeNA・エーザイによる認知症に備えるためのブレインパフォーマンスアプリ「Easiit」サービス終了

<h2>視力に代わる感覚デバイス「SYN+」で拓けた未来～“視覚障害の世界を変える”旅路の途中で～</h2><p>これまで医療ヘルスケアの共創プラットフォームとして、様々な情報を発信してきた「Healthtech DB」。この度、より有益でアトラクティブなメディアをめざし、第一線で活躍する方々のインタビュー企画をスタート。今回インタビューさせて頂くのは、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト 2022でグランプリを受賞された株式会社 Raise the Flag.の中村 猛CEOです。</p><div data-toc="true">ここに目次が挿入されます</div><h2>社内外の熱いメンバーに支えられたRaise the Flag.</h2><p><strong style="font-weight:bold">―はじめに株式会社 Raise the Flag.さんの体制やミッションについて教えてください。</strong></p><p>私たちは2017年5月に創業した会社で、3名ほどの社員が中心となって事業を進めています。ミッションは「視覚障害の世界を変える」ということ。会社の規模に比べて壮大なミッションかもしれませんが、幸い社外にも熱い気持ちを持ったパートナーがいますので、ここまで来ることができているのかなといった印象です。</p><p><strong style="font-weight:bold">―社外にはどんな人たちが揃っているのでしょうか？</strong></p><p>エンジニアやデザイナー、コピーライターなど様々です。特に創業期なんかは雇うお金が無いどころか、むしろ「私たちに投資してください」というスタンスに近かったわけですが、それでも「ぜひ俺にやらせてくれ」と言ってくださる方が多くて。ありがたいことに、気が付けば15名くらいのチームになりました。</p><p><strong style="font-weight:bold">―その中で、何か印象的だったエピソードはありましたか？</strong></p><p>そうですね、後にも話しますが、私たちが開発した感覚デバイス「SYN＋（シンプラス）」のネーミングには長いこと全員で悩み続けました。コピーライターの方にお願いして案出しをしてもらっていたのですが、毎週出てくる声はダメ出しばかりで。徐々に私としても申し訳なさが募ってきて、ある日そのコピーライターを飲みに誘って、正直に「何度も何度もやり直しばかりでごめんね」と謝りました。ただ、その時に「僕はコピーライターなので、言葉の部分でしかこの商品に力を課すことができません。ですから、何百回でも何千回でも納得いくまでやり直しますよ！」と言っていただいたんです。その熱さには本当に胸を打たれましたね。</p><h2>なぜ視覚障害者支援に行き着いたのか</h2><p><strong style="font-weight:bold">―少し話を巻き戻すようですが、そもそもなぜ中村さん達は視覚障害者支援を事業にしようと思ったのでしょうか？</strong></p><p>会社を立ち上げる前の私は、高級品の営業職をしていました。そこから独立をするわけなのですが、「町の中で役立つものを作りたい」と思っていまして。最初は農業の世界に着目して、それはそれで大手企業さんとも手を取り合って順調に準備を進めていたんです。</p><p>ただちょうど会社組織への移行を考えていたタイミングでしょうか、たまたたま街中で視覚障害者の方を目にしたんです。その方は駐輪場に自転車を停めようとしていたのですが、いかんせん目が見えないわけですから並んだ自転車の列に突っ込んでしまって。瞬く間に自転車はなぎ倒しになるわけですが、それも目が見えないから戻すことができない…。結局自分が手を差し伸べる前に、近隣のお店の方などが手伝ってくれていたのですが、その光景が一つにはショッキングだったんです。</p><p><strong style="font-weight:bold">―なるほど確かに街中での不自由は未だ大きい現実がありますね。</strong></p><p>はい、そうなんです。その夜にはたまたま「視覚障害を持った方が駅のホームに転落して亡くなった」というニュースを見て、私の中には「これはどうにかしないといけない」という思いが一気に強くなりました。だって、世の中を見渡せば車の自動運転が可能になってきたり、ロボットが自在に動いて宙返りしたり、要はそういう時代に来ているのに。視覚障害者を手助けするツールは、何十年も杖と盲導犬に頼るばかり。これはもうやらない理由が無いわけです。</p><h2>「みずいろクリップ」そして「ＳＹＮ＋」の開発へ</h2><p><strong style="font-weight:bold">―創業から5年になるわけですが、画期的な商品を世に出されていますね。</strong></p><p>ありがとうございます。最初に発売したのは「みずいろクリップ」という商品で、視覚が不自由でも任意の量でお湯を注ぐことのできるツールです。目が不自由な方々は指を使って物の位置や温度を確認するのですが、お湯となると火傷をしてしまう。量もわからないから容器から溢れさせてしまうことだってあるわけです。実はこうした課題を解決する商品が世界中を見てもまだ無くて、それで私たちが開発するに至りました。&nbsp;</p><p><strong style="font-weight:bold">―世界中を見ても無かったものを形にするってすごいことですよね。</strong></p><p>弊社には“魔法使い”がいて、その人が全部形にしてくれます。</p><p>正体は弊社のCTOなのですが、彼は地元で見つけた素晴らしいエンジニアの一人でした。私自身は「視覚障害の世界を変えたい」という気合いこそあれども物を作ることができませんでしたから、彼のもとに行ってとにかく口説きました(笑)。結果として彼は自身が営んでいた事業を畳んで、この会社に来てくれました。今では「こんなものがあったらいいのに」といったアイデアを具現化してくれることもそうですし、エンジニアながらしっかりユーザーの方を見て仕事をしてくれている点に大いに助けられています。&nbsp;</p><p><strong style="font-weight:bold">―そして今回、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト 2022に出されたのは「SYN＋」と。これはどういった商品なのでしょうか？</strong></p><p>私たちは“視力に代わる感覚デバイス”と呼んでいるのですが、視覚障害を持っている方が周囲の環境を認知するためのメガネ型のデバイスです。目の不自由な方から話を伺うと、日常生活の中にもたくさんの困りごとがあって、例えば「洋服の色がわからないから、お葬式にピンク色の服を着て行ってしまった」とか、「（従来のデバイスだと）目の前に改札などの障害物があると通知されても、結局どこをどうやったら自分が通れるかがわからず結局杖を使わざるを得ない」といったものです。私たちのSYN＋では、こうした日常課題を解決すべく、「正確に」「感覚的に」周囲の環境を認知できる機能をコアとして実装しました。</p><p><strong style="font-weight:bold">―ちなみにSYN＋という名称にはどういった由来が込められているのでしょう？</strong></p><p>「SYN」はギリシャ語に由来しているのですが、「共に」とか「一緒に」「共有する」といった意味を持っています。ここから、音を共有する「シンフォニー」だったり、感情を共有する「シンパシー」だったり、美しい単語が多数生まれています。</p><p>私たちもぜひこの言葉を取り入れたいと思ったのですが、そこに“＋”を加えた意図は「豊かな社会は一人では作れない」ということです。様々な人と手を取り合い、たくさんのプラスを積み重ねていくことで、生活が豊かになっていく。この先の未来もそういう世界が続くといいなという願いも込めて、「SYN＋」と名付けました。&nbsp;</p><h2>ビジネスコンテストでグランプリを受賞して</h2><p><strong style="font-weight:bold">―そのSYN＋が見事グランプリを獲得しましたね、改めておめでとうございます！<br>―反響はやはり大きかったでしょうか？</strong></p><p>ありがたいことに、多くの方々からご連絡をいただきました。私たちにとっては恐れ多いような大手企業の方からも「意見交換したい」といった声を頂いて。</p><p>元々、省庁レベルで話し合われているような課題感も私たちの技術があれば解決できる！という自負がありましたから、コンテストを通じてより多くの人に知っていただくことができたのは大きな一歩だったと感じています。&nbsp;</p><p><strong style="font-weight:bold">―視覚障害を持った当事者の方たちにも知っていただけたのではないでしょうか？</strong></p><p>はい、それも大きな収穫です。彼らから話を聞いて感じるのは「周囲が気遣ってくれないと日常生活すらうまくいかない。だけど、本当はサポートしてもらいたくない（自分だけでできるようでありたい）」といったジレンマを抱えています。また以前は見えていた方が疾患などで視力が失われてしまうと、そこから数年は失意のどん底を味わうケースも多いわけです。今回もビジネスコンテストでSYN＋を発表した後、「まさに死のうとしていたけれど、こういった商品ができるなら希望が持てる」と電話をしてきてくださった方が数人いらっしゃいました。</p><h2>&nbsp;視覚障害者が確実に増えている現代にむけて</h2><p><strong style="font-weight:bold">―コンテストでグランプリを取ったことには大きな意義がありますね。</strong></p><p>はい、そうやって障害を持った方自身だけでなく、その診察をされている医師の方にももっと知っていただいて、患者さんに「こういう商品がありますよ」と伝えてほしいです。世の中の視覚障害者の中には、ハンデを持ちながら明るく生きている方もいらっしゃいますが、それはどん底を“乗り越えた姿”だと考えています。誰しもが最初から明るく振舞えるわけではありません。生活を便利にするツールがあることを知ってもらえれば、可能になる仕事も増えますし、前を向くきっかけになるのではと思うんです。</p><p>ちなみにSYN+を使った方の中には「今まで“乾杯”と言うと、周りの人たちが自分のグラスに当てに来てくれるものだったが、初めて自分から人のグラスに当てることができた！」と言ってくださった方がいました。そういう“何気ないことが楽しめる瞬間”って、実はすごく大事ですよね。</p><p><strong style="font-weight:bold">―需要はまだまだ大きそうですね。</strong></p><p>実は視覚障害者ってこれから増えていくと予測しています。糖尿病に付随した網膜症で失明してしまう方も多いですし、そうした方々全員が障害者手帳を取得しているわけではありませんから、統計上の数値よりも困っている人は多いに違いありません。企業のなかでも障害者雇用は従来に比べて進んできましたが、いざ職場に来てもらってもできる仕事が限られていて…という話も耳にします。ですからこれから開発する商品も含め、広く知っていただく機会を作ることで、雇用の安定や豊かな暮らしにも貢献していけたらこの上ないですね。</p><p></p>

これまで医療ヘルスケアの共創プラットフォームとして、様々な情報を発信してきた「Healthtech DB」。この度、より有益でアトラクティブなメディアをめざし、第一線で活躍する方々のインタビュー企画をスタート。第1回に登場するのは、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト 2022でグランプリを受賞された株式会社 Raise the Flag.の中村 猛CEOです。

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