世界的SaaS企業のWorkdayが医療機関向けサービスを開始

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世界的SaaS企業のWorkdayが医療機関向けサービスを開始

世界的SaaS企業のWorkdayが医療機関向けサービスを米国で開始した。

以下の内容について深掘りしていきたい
・Workdayとは何か
・医療機関向けの具体的なサービス内容はどのようなものか
・日本の医療現場でも活用可能なものはあるのだろうか

Workday HPより

Workdayとは何か

 Workdayは採用や退勤、給与管理などの人事・財務管理に用いるアプリケーションのSaaSを企業向けに提供している。業務ごとのシステムが連携しているため、諸々の作業を一元的に行うことができるのが特徴となっている。全世界で3350社以上の導入実績がある。日本国内でも400社あまりが採用している。2005年に創業、2012年にニューヨーク証券取引所に上場した。これまでの資金調達総額は2億3000万ドルにもおよぶ。2021年1月までの年間売上は約43億ドルとなっている。企業規模はSaaS事業としては世界第3位である。

 創業者はデビッド・ダフィールドとアニール・ブースリである。デビッドはPeopleSoftの創業者でもあり、アニールはPeopleSoftにて製品戦略、マーケティングを行っていた。PeopleSoftは人事管理用のアプリ開発を行っていた。2004年にOracleに買収されのちに共同でWorkdayを立ち上げた。

医療機関向けの具体的なサービス内容はどのようなものか

Workdayは医療機関向けのサービスとして大きく2つのものを提供している。
①人材の募集・採用・育成の効率化及び最適化
②医療機関の財務管理の効率化

①人材の募集・採用・育成の効率化及び最適化

 各医療機関の従業員データを集積、分析することで新たに必要とされる人材を示し、組織内外での募集から雇用、育成まで支援する人材獲得サービスである。また、現在の従業員のデータを分析することで、生産性の向上、労働環境の改善の支援するツールである。
以下に医療機関向けのSaaSサービスの一部を紹介する。

・必要とされる人材の属性や人数を分析して提示する。
・SaaSの一元化されたシステムの中で求人情報の作成や転職希望者の情報管理までを一貫して行うことが可能である。
・従業員の勤続年数や離職率などのデータを可視化することができ、労働環境の見直しや改善に活用できる。
・行動、生産性、スキル、将来のビジョンといった 社員データを活用し、社員が提供できる価値を最大限に高める
・ブロックチェーン技術を用いることで医療資格や学歴、学位の情報をオンライン上での共有を可能にすることで紙による照明を電子化する

②医療機関の財務管理の効率化

 Workdayでは財務・人材・業務データなどを一元的に管理している。システムに内蔵されたレポート・プランニングツールにより組織内の余分なコストを常時可視化することができる。組織の運用コストを最適化することができ戦略的な意思決定を行うことができる。
具体的には
・総勘定元帳と会計レポートを一元化したシステム内で構築しているため決算がスムーズに行われる。
・病院のリソースを「誰が」「何を」「どこで」「何のために」用いたのかが一目でリアルタイムにわかる経営者向けのレポートを作成。無駄なコストを可視化することができる。
・病院の運営方針や市場の変更に柔軟に対応して、監査プロセスやレポートの設定を変更することができる。
・様々な業務管理を1つのシステムで統合して行なっているため、管理の計画から実行までの時間を短縮できる。

・SaaSを用いて様々なツールが用意されているため、低コストで多様な管理サービスを受けることができる。

日本の医療現場でも活用可能なものはあるのだろうか

①人材の募集・採用・育成の効率化及び最適化に関して

働き改革が求められる医療現場において、従事者の離職率やパフォーマンスをデータ化して分析することは労働環境の改善につながる可能性がある。より客観的な指標で働き方を評価するにはWorkdayのSaaSによるサービスは最適かもしれない。医療現場のペーパーレス化を推進していく方法として、人事においてブロックチェーンを用いた個人認証システムは共有や提出が簡易化すると考えられる。

②医療機関の財務管理の効率化 

あらゆる診療科が集まる病院においては、資源が適切に分配され、無駄なく使用されているか視覚化されることが重要であると考えられる。日本の場合、診療業務の多くが保険診療であり、得られる収入があらかじめ指定されている。黒字経営を維持するためには無駄を省くことが先決である。その点においてWorkdayの財務データの一元化処理・分析は無駄を見つけコストを最適化するのに有用であると考えられる。

日本市場への参入も起こり得るか?

今のところ、Workdayからそのような発表もない上に、そもそも本人たちに日本市場に参入するモチベーションがあるかすら分からないので、あくまでも仮定の話ではあるが、もし日本市場に参入するのであれば、今のソリューションは人材活用・財務管理の2つの側面から十分に現場課題を解決するポテンシャルを持っていると考えられる。

医療産業はグローカルな特性を持っているので、今のところ日本への展開が実現する可能性は低いと考えられそうだが、国内の類似プレイヤーにとっては引き続き要注目なプレイヤーであることには変わりはないでしょう。

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