2022年6月6日、Apple社が年に一回開発者向けの発表会として行う、WWDC2022において、Appleが抱える製品群に関する新たな機能アップデートや、新規API等について発表があった。中でもApple Watchの新バージョンOSであるWatch OS 9についてと、ヘルスケアアプリに関する発表の中で、服薬リマインダーや、睡眠計測などについての新規機能の発表があったため、今後のOSアップデート時に注目だ。
WWDC2022でのヘルスケア領域での注目ポイント
- ヘルスケアアプリ内での睡眠データの強化(iOS 16)
- Apple Watchに服薬リマインダーの機能が追加(Watch OS 9)
- 服用薬の相互作用に関する情報提供を開始(iOS 16)
1. ヘルスケアアプリ内での睡眠データの強化(iOS 16)
Apple Watchを利用した睡眠計測において、これまで単なる睡眠時間・睡眠開始時間・起床時間を計測・表示するものだったのが、レム睡眠・ノンレム睡眠などの眠りの深さに関するデータ取得とグラフ表示を行えるようになる。
これまでは、Fitbitなどで類似の機能が提供されてきていたが、Apple Watchを含めた他のウェアラブルデバイスではこうしたデータを扱うことは少なかった。
これによる、ヘルスケアAPIを経由した睡眠データの取り扱いがより便利になっていくと考えられる。
2. Apple Watchに服薬リマインダーの機能が追加(Watch OS 9)
Apple Watchの新アプリとして服薬リマインダーが新しく追加される。iPhoneのヘルスケアアプリ内で服用薬を登録すると、Apple Watchから服用薬の服薬リマインドや服薬記録を行えるようになる。
ただし、服用薬のデータ登録が日本国内の医薬品に対して対応しているのかどうかは現時点では不明である。
3. 服用薬の相互作用に関する情報提供を開始(iOS 16)(日本未対応)
ヘルスケアアプリの中で登録した服用薬のリストに対して、相互作用情報などを提供してくれるようになる。医薬品及びその相互作用情報については、医学関連の出版企業であるエルゼビア社と協力してDBを作成しているとのことだ。
ただし、日本での同機能に関する発表はなく、おそらくアメリカ限定での機能公開になる見込みだ。